ひば

帆花のひばのレビュー・感想・評価

帆花(2021年製作の映画)
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2016.7.26に起きたやまゆり園事件から8年ということで、生後すぐ脳死に近い状態と宣告された帆花ちゃんとその周りを映したドキュメンタリーを無料配信していたので見ました。7/28まで
https://regard-films.com/2024/07/25/honoka_haishin/

これは帆花ちゃんの場合のみですが、明らかにこちらの呼びかけに反応があるし意思がある。彼女をずっと見ていると彼女自身の呼びかけに、あれ?これわたしも受け取れるんじゃないかと思えた。あたたかい部分を多くクローズアップしているからその裏にそこに至るまでの苦労もたくさんあるんだろうけども。ご家族、ヘルパーはじめ医療関係者の方、親戚や単にどこかですれ違った人…彼女にとってはたくさんの世界とのつながりがある。彼女の命を失うことはこのコミュニティの死に直結するだろう。彼らは誰よりも彼女の生死について考えているのに、一瞬通りすぎるだけの人が"楽にしてやれ"と死を勧めてくるのはどう考えてもおかしい。彼女からの呼びかけを受け取れなかった能力のなさを自慢してるに等しいと思う。"可哀想"、"役に立たない"にしてるのは私たちマジョリティ社会であって彼女に関わるコミュニティを責めるのはおかしい。みんな人生1回目なのだから、誰も体験していない死をなぜか当然のように奨励するんじゃなくて、生まれてきたからには生きることはとても大変だけど良いものにしていこうと約束したい、今日も生きているのだから。すべての人に価値がある。優生思想を振りかざす者はいつかその波が自分の身にも必ず振りかかることを忘れずにいよう。優生保護法に違憲判決が下ったとき母が「よくやった」と言っていて、この人が母親でよかったって思った
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