味噌のカツオ

よだかの片想いの味噌のカツオのレビュー・感想・評価

よだかの片想い(2022年製作の映画)
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あえて、先に一点 物申すなら。

アイコにはアザが~とはいうものの、そんなに目立つ感じとは思えず。
どうせ映画であるなら、もうちょっとキツい設定もアリだったのでは? とも。
いやいや、女性であれば あの程度でも十分なコンプレックスになるかもしれないけれどさ。

これまで恋なんて考えてこなかったアイコが、ふいに出会った映画監督・飛坂に戸惑いながらも恋心を覚えて。
そんな彼女の告白を、飛坂は受け入れるのですが。。。

わたくしが予告編で受けた印象では、この飛坂のヤンチャ(?)ぶりが、初めて自ら恋に一歩踏み出したアイコの思いを踏みにじる…的な。勝手にそう思い描いていたんだけど。
実際に映画で見た飛坂という男は、映画作りに対して真っすぐな姿勢で。少なくとも自身のキャリアの過程の中で、今は恋愛よりも映画の優先順位が上だったのではと思うわけで。

一般的に「わたしと仕事どっちが大事なの?」と問われて、どう答えるかというのと同じで。そんなこと言われてもという面はあると思うんですよ。
一方のアイコにしてみれば、勇気をもって踏み出した恋心をないがしろにされたようなショックはあったのかもしれないけれど。

でも終盤に語られるように、やりようによっては医療行為によってアザは消せるかもしれないし、メイク次第では目立たないようにできるわけで。
で さらに言うなら、彼女の日常の中で、彼女の近しい人の中で、そのアザを揶揄するような人はいないわけだし。なんなら そんな彼女を想っている男性もいるんだし。

“人は見た目が7割”だなんて言葉も聞いたことあるけれど。
別に そんなにふさぎ込む必要はないだろうし。先の言葉を裏返せば3割は ちゃんと向き合ってくれるということかもしれないし。

アイコの心を思うと締め付けられる思い~という感想もあるかもしれないけれど。
ラストで踊ってみせる彼女の姿、笑顔をみれば…

とても前向きなメッセージを残す映画だったのかもしれませんね。
味噌のカツオ

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