このレビューはネタバレを含みます
ふんだんの光。
やさしい光、鋭い光、やわらかいあたたかい光。
光がとても印象的で、音楽もすてき。
ラストのダンスシーンは岩井俊二作品を彷彿させた。
飛坂といるとアイコはアイコでなくなってしまう。
映画を愛する飛坂は、アイコをいちばんには愛さない、愛せない。
恋のあまさやにがさを経験して、アイコは飛坂に出会うまえよりすてきな女性になった。
この恋が成長させ、つよくしたのだなとつたわってくるし、アザのことを受け入れることにもつながっていったのだろうなって。
恋の魔法が一時期はアザをなくすことを考えさせる。それが本人を生きやすくするならいいけれどそうじゃないなら心配で。アイコ自身がちゃんと結論だせてよかった。
原田くんとどうなるのかな、いいこそうだし。
先輩の明るさもよかった。
原作を読んでいるのだけれど内容はうる覚えだったので新鮮なきもちで観ることができました。
島本理生作品はわりと読んでいるけれど、読むたびに映像がみえてくる作品が多く、映像化が決まるたび納得する。
特に今回の作品は、とても島本理生っぽかった。
「無理をすれば別の自分になれるなんて幻想かもしれない」
「ひとは変われても、別の人間にはなれない」
「僕はどんな先輩でもすき。告白です。ふたりきりなんで」
「全部さらけ出して受け入れてもらう必要なんてない、ひとは裸で生きる動物じゃないんだから」