ザリくん

雨を告げる漂流団地のザリくんのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
3.2
洪水警報が出てたから見た。

漂流教室×十五少年記 的なサバイバルものだと思っていたが思いの他テーマが良かった。
テンポの遅さは少し感じるがネトフリには倍速機能があるので問題なし。登場人物がみんな小学生なので多少気持ちの入れ違いがあっても全然ストレスなく見れた。(これが高校生とかだったらフラストレーション感じたかも)

高度成長期以後ラッシュ建設され、今では老朽化の一途を辿り不穏な雰囲気を醸し出す「団地」。これらは不気味な古臭さからよくホラー映画の題材にされるが、今作は時間を、そしてそこに住んでいた人々を見つめたシンボルとして暖かく描写されている。
精霊や付喪神のような存在であるのっぽくん、老朽化した巨大人工建造物には皆同胞が宿っている。それらは寿命が近付くと黄泉の国へ送られ、その通り道が大海原を生み出す。三途の川がバカでかくなったらああなるのかな。死ぬ場所へ泳いで向かうその様は登り魚のようだ。
メタファーについてもかなり分かりやすく説明されてたからそんなに考察要素はなかった気がする。

お化け屋敷として忌避していたシンボルに家族が救われていく結末は制作陣の愛を感じました。

アクションのグダグダ感と、ワイヤー1本で建物同士つなぎ止めようとするのは流石に無理があったがコナン映画みたいで面白かった。

実在商標が出てくるあたりちょっとバブルを彷彿とさせた。
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