タタキング

雨を告げる漂流団地のタタキングのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
2.8
映像は素晴らしい。
レビューでも分かれているようにストーリーの出来がイマイチ。

序盤40分でほぼネタが切れ、後半30分まで同じことの繰り返し。

テーマを団地にしたがために、主人公とヒロインの描写しか生まれず、漂流してる事で起こるイベントが別の物体が流れてくるの一律化の為タイトルの時点でストーリーとしては駄作になることが確定していた。

正直他の4人はほぼ付け合わせでホームシックとお助けキャラ以外の何者でもなく、学校など全員で共有できる題材にした方が確実に観客的にも物語としても良かったと思う。

そうすれば、見ている人も登場人物も説明が少なく過去の記憶からテーマを共有できるのでもう少しわかりやすく見れただろう。

また、前半のヒロインの境遇に対する説明や説明パートも尺を使っていないため、前半はヒロインが完全に謎キャラでしかなく説明後も感情移入し切れない。

だいぶ複雑な家庭環境の設定の上、おじいちゃんというほぼ本編に出ていないキャラを共通理念としてストーリーを構築しているが、客からすれば感情移入できるわけがない。

完全に全ての設定が独りよがりで観客が見えていない。


また、漂流も序盤で釣り要素を完全に断ち切った事で、漂流する他の建物以外のストーリーの展開を切ったのは最悪。
例えば釣りで記憶を思い起こすプロップを釣り上げて2人の関係性を描写するでも良かったはずだが、完全に釣り=魚という発想力の無さが露顕している。

歌や曲を挟んだインサートが2回あるなど完全に万策尽きてる割に尺を削らなかったりと謎。

漂流要素も微妙にリアリティがある割にはピンチは大体身体的な怪我。よくある雨水を集めるや釣り、晴天で水が尽きる、サメなどの描写はなく漂流モノにする必要が本当にあったのかも謎。

また、団地の化身の男の子もほぼ他キャラと並列に描かれていたり、長年見てきた割には主人公とヒロインの描写で歴史を感じないなど、2時間の映画として成立させるには完全に色々無理がある上に、ことごとく要素を捨ててるので擁護もできない。

かろうじて映像のクオリティとモノの化身というテーマはいいが、

最終的に全体を俯瞰して見たときに、
メッセージとして団地との訣別のわりに最後までヒロインが執着したりと、メッセージ性に乏しい、など問題もあり、本当に何を考えて作ったか謎の作品。

観覧車との別れがやりたいことできてる感あったので、ああ言った感じでわかりやすくして欲しかった。

まあ、いろんな資本動かして作品作るのなら、目につくストーリーくらいもう少し詰めて作品作らないと評価されないことがわかる良い見本でした。
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