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聖闘士星矢 The Beginningのarimasou16のレビュー・感想・評価

聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)
2.5
冒頭1分は、これは思ったよりマトモなのでは?と期待させるも、ロッカールームから星矢が登場してきて、すべてを悟りました。

ハリウッド映画の宿命として、原作未読の潜在観衆を差し置いてファンのためだけの映画を作るなんて出来ないんだろうな、と。一見さんお断りの映画を作ったとして、どこを切り取れますか?

十二宮の戦いにしても、3Dアニメの映画版のようにどうしても省略されるし、シリーズ化しないことには満足させられないんです。でも、そこまでの予算と時間をかけるなんて出来ないんです。

結果として、東洋人が闘う鉄板といえば、カンフー映画となり、聖闘士星矢ビギニング的な形にまとめたのは理解出来ます。聖闘士同士の争いをメインにするとCG、特殊効果、ワイヤーアクションてんこ盛りになってしまい、予算も膨らみますしね。

ペガサス幻想をアレンジしたBGM使用、構えの背後に星座を象るコスモが浮かび上がること。突き飛ばされて何枚もの壁を突き破っていくこと、上半身、聖衣を剥ぎ取られた星矢が、Athenaに這いずって行くこと。

日本人俳優、新田真剣佑の起用、木戸というファミリーネーム、沙織に遠くないシェナというAthenaの人名。リスペクトはあったんだと感じました。

そもそも原作の城戸光政が何人もの妻を持ち、その子供に聖闘士になるため各地に追いやるなんて設定、アニメでもカットされたし、ポリコレに煩いハリウッドでなんて無理無理。

映画を見に行くと妻に言ったら、「ああ、あのイジメの映画」と言われました。圧倒的に強いものが(最初は)弱い主人公を執拗に嬲るなんて、主人公がTUEEE!に慣れた同じ日本人にもキツいんです。

諸々事情があるにしても、もっと頑張って欲しかったのが、主題歌ですね。聴いたことあるな、と思ったらP!nkの"courage"じゃねーか?!

Netflixみたいにペガサス幻想をどこかの海外バンドにカヴァーしてもらおうとしたらポシャったんでしょうか…ここでブラジルかフランスあたりのメタルバンド連れてきて熱いカヴァーもしくは、同系統の曲だったら+1.0点したんですけどね。

邦画界の原作レイプな実写化に比べればなんぼか許せる気持ちになれるぐらいの金や労力がかかってると思いますし、自分の一番好きなキャラクター出してくれたのが嬉しいです。シリーズ最強にかっこいい辰巳(なのか?)も必見です!

しかし、地雷であることが余りに明確なためか?公開週の日曜日にして、客入りがどう考えても3桁は行っていないです。GWで目玉作品が続けて公開されてるので、後回しにされる気持ち分かりますけど、見るつもりの人早めに行かないと終了しちゃいますよぉ。
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