シミステツ

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのシミステツのレビュー・感想・評価

4.2
クッパがやって来てペンギンの出撃するところ布袋寅泰の『BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY』が流れるのも壮大なフリと滑稽さ。

マリオとルイージはニューヨークの配管工という設定で、仕事を求めて大金をはたいてCMを作るなど現実世界では無能扱い、くすぶっているさまが描かれていて、冒頭のクッパの世界との距離感がうまく作れている。初仕事はうまくいったと思いきや、飼い犬フランシスの怒りを買ってマンマミーア状態。そしてひょんなことから魔法の世界に迷い込み、クッパの世界へ行ってしまったルイージを助けに行く…というハリウッドのお手本のようなプロット、気持ちの良いベタ。ピーチがちゃんと勇ましく強い。クッパがピーチのこと好きすぎてピアノ弾いてるのめちゃくちゃ面白い。さりげなくヨッシーが現れたり、ドンキーとのバトル、カートのカスタマイズ、レインボーロード、トゲゾー…ファンにはうれしい点が盛りだくさん。スターになった時の音楽最高。

HIP HOP調のテーマ曲や工事現場に侵入してのパルクール(ゲーム画面のような平面で)も洒落が効いている。マリオはキノコが嫌いという設定や、弟は兄の好きなことに巻き込まれたというような家族との関係性もあり、さりげなく奥行きがある。マリオがキノコを食べ鍛錬するときのBGM ボニー・タイラー『Holding Out for a Hero』も日本的スクール・ウォーズみもあって好き。コングのカートに乗るところではA-haの『Take On Me』とか、選曲がめちゃくちゃいい。