味噌のカツオ

夜を越える旅の味噌のカツオのネタバレレビュー・内容・結末

夜を越える旅(2021年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

あらすじやチラシを見ただけでは どんな内容なのかは掴みかねる印象で。
インディ作品として なかなかチャレンジングなものではあろうかと。

序盤は結果を出せずに悶々とする漫画家志望の主人公・春利と、関係性が上手くいっていない彼女とのやり取りをしんどく思い。
学生時代の友人たちと、あの頃を思い出しながらの旅行をする姿に、楽しそうだな~と。

でもリアルな今の立ち位置は学生じゃないわけで。実際に楽しいんだけど 突き抜けきれない。どこか座りの悪い感覚ってあるよな~と。
そういう部分での共感を得ていたんだけど。

そこにヒロインたる小夜が遅れて合流。
春利の脳裏に浮かぶ光景に、学生時代の小夜の何気ない姿であったり、直視ではなく視界の中に捉えていた姿があったり。そして「上半身裸なの?」というショットもあって。

片思いというより、ちゃんと関係もあったのかな~と。
そんな彼女と数年の時を経て再会するのって。やっぱり元カノ・元カレとしての距離感ってあると思うし。いや、どこかで“もう一度”という期待もあるだろうし。

そんな中で二人で散歩に出かけて。ちょっと変な人に出会ったりもするけれど、やっぱり一瞬であの当時の関係性を思い出したりして。
この夜が明ける頃、二人はどうなるのかな。

これが現実だったら、懐かしいね程度で終わって。連絡先を交わして「またね」で。何事もなく過ぎていくケースが多いんじゃないかと…思った矢先!!

“ビクッ!!”って体が反応したり、「ひぃっ!」って息が漏れる人が続出なんじゃないかしら。
物語に「起承転結」というものがあるとするならば、こんな“転”は なかなか経験できないもんだぞと。

あらためてですが、小夜役の中村祐美子さんはスタイルもよくて大きな瞳が印象的な美人で。
そんな方だからこそ、そんな瞳に吸い込まれそうになるんだけど…吸い込まれた挙句が…ちょっとギャップが激し過ぎて。そして絵の作り方も含めてコワい。コワ過ぎ。

ただし、これはこれで“悪い夢”ということらしいんだけど。
その悪夢の中で小夜が残した言葉で、またイヤな展開になるんだけど。

イヤな展開になるんだけど、気付いたら ちょっと滑稽というか。
笑いそうになるんだけど、たぶん今は笑っちゃいかん状況じゃないかと翻弄されたり。
翻弄されながらも実際に恐ろしい出来事が起こったり。

そんな物語が行きつく先は…
現実なのか、夢なのか。漫画なのか、映画なのか。

とにかくジャンルとして定義しにくいところもあるし。
でもエンターテイメントとして 非常に面白い作りだし。

間違いなくインパクトがあって、確実に印象に残る作品でありました。
見て良かったです!!

たまねぎ:NG、長ネギ:OK
味噌のカツオ

味噌のカツオ