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リコリス・ピザのbabyのレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
3.8
つまらない。本当につまらない。
正直、顔見知り程度の人の惚気話やら
悩みやら2時間ちょっとも聞かせられたら
呆れるよね。でもずるい。
それでも最後あんな
涼しげに青春見せられちゃったら
こっちもよかったねって笑っちゃうよ。

2人の馴れ初め。10個上の彼女を
ナンパして始まるワクワク感。
嫉妬して反抗をする。それも対抗に
なっていない対抗で。そして休日は
子供に付き合っている劣等感。
隣に連れて歩く人の名声と
カーストと、、、レッテル。
そこにとらわれたり羨ましくなったり。
わかるよ。わかる。しかも何者かに
なりたいけど自分がじゃなくて誰かの
近くに行って何者かになった気になりたい。
あまりにもリアルすぎる現実と
今の現実にはないノスタルジックな演出
その両極端な描き方が悩み事や
青春、恋の仕方なんて今も前も
たいして変わってないじゃんとなんだか
呆れてきた。
呆れて、嬉しくなった。

結局人として生きるには面倒臭いことしか
ないんだけど、全ての面倒臭い中には
こうやって当本人にしか分からない
煌めきがあって思い出がある。
私から見た2人はまたやってるなって
感じだったけど、あまりの清々しい
エンドで一気に見てよかったじゃんって
思えた。現実もそうで、友達とか
家族とかのどうでもいいこと日々聞いて
呆れたり落ち込んだり羨んだりするけど
それでも彼らの一瞬の本当の喜びだけは
知らない人にまで喜びが伝わる。
そんな若くてフレッシュな恋のパワーは
本格的な夏へのスタートダッシュを
気持ちよく感じさせた。
私も2人みたいに走り出したい

トムウェイツ、、、
煙に巻かれながら登場するのは
クールすぎるからやめて下さい。
話し出すと笑っちゃうけど。
baby

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