改名した三島こねこ

ゴッドファーザーPART IIIの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
4.0
老境のマイケル・コルレオーネ。

ゴッドファーザー・トリロジーの最終章と見られがちだが、基本的に本作は前二部作の後日談という位置付けにされている。Part.ⅠやPart.Ⅱで見られたマイケルの苛烈な一面はめっきり見られなくなり、引退間近のヴィンセント・コルレオーネを再度目撃しているかのよう。

本作の特におもしろいところは歴代ゴッドファーザー三人の運命が、微妙に重なりあっているようで、完全には合致していない運命の不安定さ。あくまでマイケル主軸の話ではあるのだが、彼やヴィンセントの姿からヴィトー・コルレオーネの姿を幻視している気分に。
最後の怒涛の展開などはPart.Ⅰをわかりやすく踏襲しているのだから、シリーズの締めとしてはファンも満足の出来だろう。

しかし残念なのはついにⅡとⅢの合間にトム・ヘイゲンがサイレント御逝去なさっていること。Ⅱでもクレメンザなどが天に召されていたが、やはりメイン級のキャラが舞台を降りるのは寂しいものだ。

アンディ・ガルシアとアル・パチーノ(若)が似てるのはみんな思っただろうが、名前繋がりで『パルプ・フィクション』のジョン・トラポルタ演じるヴィンセント・ベガも思い起こしてしまった。ツイストを踊らないヴィンセントとは一体。