kochab

宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章-STASHA-のkochabのレビュー・感想・評価

4.0
今回はガミラス星が星の終わりを迎える、という事態に地球が援軍を出すストーリーで始まりまして。しかし、この2205シリーズを見終わると、ここまでの結末をつけるか~、と言う感じ。イスカンダル、ガミラスに始まる地球との関係も一気に片がついた(ついてしまった?)感じです。

そんな中で目立ったのがやっぱりデスラー総統ですね。いやいや、このリメイクヤマト、キャスト発表でデスラーが山ちゃん(山寺宏一さん)に決まった時は確かになぁ~、とは思っていましたが、本作では「今、現役声優さんの中ではベストの人選だった」と思います。デスラー、オリジナル版では総統としての冷徹さと、後の古代達の盟友としての立ち位置があったかと思いますが、このリメイク、平成、令和版ではさらに恋しさだったり、そこに対しての不器用さなど、いろいろな側面が見られた役になったな~、と思います。

そのリメイクでは、時代、世代間の価値観の違い、と言う点も明かかな、と思いました。昭和版オリジナルなら確かに古代が(はたまた沖田艦長が)一人で背負った感じでしょうが、このリメイク、平成・令和版では「皆でなんとかしよう」という点がより強かったかと。
また最後は波動砲という大艦巨砲主義であったオリジナル版に対して、波動砲でも単艦ではなく複数艦で勝負に出る、または戦闘機などの数(場面)が増えた辺りは、これは日本人の「もの作りの価値観」にも地味に影を落とすところだな~、と。
昭和から平成までは日本は「良いものを作れば高くても売れる」でがんばってきましたが、平成の終わりから令和にかけては「多少性能を落としても安く売る」という海外をより意識したもの作り、生産性にシフトしていると思っています。この辺もストーリーを見ながらちょっと思ったところです。

意外とこうしたアニメでも子供の頃から見ているとその後の社会的な部分の根幹にも関わるのかな~、と思いました。
kochab

kochab