「第一線で活躍するのはもう間もなくの事」中堅お笑いコンビの槙本と尾崎はそう言われ続けながらも長期間のコンビ活動に終止符を打ち、数年が経とうとしていた。コンビ解散後も、槙本は別の相方と新たなお笑いコンビ組んだが、煮えきらないのは相変わらず。相方の津地不踏(つちふまず)からも厳しい言葉を受け続ける日々。そんな日々を過ごし続ける槙本の元に、元相方の尾崎が現れる。「お前、もうすぐ死ぬ」診断した昔馴染みの医者に代わって、槙本の為に余命宣告をした尾崎。突き出される揺るぎのない診断書。自分の残り少ない余命に愕然とする槙本に尾崎はとある提案をする。「お前にしか出来ないことがある」尾崎は槙本に、過去に原因不明の自殺で亡くなった一人の仲間の話を始める。「あいつが死んだ本当の原因が、わかりかけてるって聞いたらどう思う?」人間、もう死ぬってわかったら、その後出来るのは“今”と“これから”生きてく人間の為に何が出来るか。究極に無欲で、究極に奉仕。そんな神みたいな時間で、お前は何をする?