ごろちん

夜明けの夫婦のごろちんのレビュー・感想・評価

夜明けの夫婦(2021年製作の映画)
3.7
「生きてるうち孫を抱きたい」それも分かる気がする、なんてミスチルの歌の歌詞を思い出した。

コロナの影響で今までよりコミュニケーションがよそよそしくなったり、何をするにも気を遣うようになって、さすがに疲れや嫌気が溜まって来た、そんな目に見えないフラストレーションがこの映画に漂っているように感じた。設定は一応終焉を迎える頃みたいだけども。

『At the terrace テラスにて』や『友だちのパパが好き』のような自然な会話は健在。山内ケンジの脚本は山椒のようなブラックユーモアと会話の中で相手への細かい配慮が感じられるから好き。役者の演技も良くて、特に父親役の岩谷健司が醸し出す中年のエロはキモ愛しい。そして関心が無いことへの潔さには清々しさすら覚える。

夫婦が抱えるのはリアルなおとなの問題。「夜明けの夫婦」はタイトルのように雨のち晴れとなるのかどうか。
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