このレビューはネタバレを含みます
国、時代は違えど普遍的な親子間のすれ違い。親は子に対して愛するあまり理想を求め、子は親に対して無償の愛を求める。肌の色の違いと性差は価値観の相違を生み、父と娘の距離を更に遠ざける。
アケルマン監督はニナを通して女性をステレオタイプ的な未来から解放しようとする（『私、君、彼、彼女』を観た後だから尚更そう感じたのかも）。でもその呪縛はそう簡単に解けないことも彼女は理解している。
映像は目を見張るほどの洗練さ。あの長回しは蔡明亮の『郊遊』を彷彿とさせるけど、こちらの作品の方が製作年は先なんですね。あと、鼻水が映る映画に駄作無し！（たぶん）
