舞台に映画にCMに幅広く活躍されている山内ケンジ氏の新作映画
少子化問題は今に始まったことではないが、
二世帯住宅に住む一組の夫婦と旦那側の父母と
周囲の人達の“子作り”にまつわる話。
義理母から「そろそろ子どもをつくらないのか?」と
静かに詰められる嫁
…と冒頭からシュールであるが、最後までなんとなくずっとシュール
でも当人たちには深刻な問題
引いてみれば、それも喜劇
まさに「純粋社会派深刻喜劇」でした。
ねちっこさとか歯切れの悪さがおかしみだったりするので、
特に、夜の職場のシーンは笑いがとまらず…
(マスクがあって良かった。)
ことに及べず、素っ裸で泣いたり落ち込んだりしている姿も
切なさ半分、なんで裸でこれやっとんねんとも思ったり。
直球な浮気相手からの問いただしも
孫が欲しすぎるお義母さんの「そっち?」な奮起も
お義父さんの欲情も
「待ってました!」と存分にニヤニヤしてしまいましたが、
他作を知らない方にとっては、私は不謹慎この上ない人に
見えたのかも知れない・・・
意図的に、ちょっと昔の丁寧語で繰り広げられる会話が
結果的に品を保っているので、言葉って大事ねぇ。
「自分の家の実家で撮りたい」とか
「知り合いの役者さんの出産が重なったので、その姿を今のうちに」
とか、はじまりは、まったく関係ないところにあったみたいだけど、
そこからこんなお話にしてしまうの凄いなぁ。
気になった方は秋に監督の山内ケンジ氏が
作・演出の舞台もありますよ。
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KAAT×城山羊の会
「温暖化の秋 -hot autumn-」
日程:2022/11/13(日)~2022/11/27(日)
場所:KAAT 大スタジオ
【作・演出】山内ケンジ
【出演】趣里 橋本淳 岡部たかし 岩谷健司
東野絢香 笠島智 じろう(シソンヌ) (敬称略)
チケット発売:9月予定
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◆独り言
鑑賞したのが、下北沢の小規模な劇場
2日目、舞台挨拶付き
そんな条件がそろってか、おそらく城山羊の会が好きな方
もしくは舞台・映画慣れした方が多かったかも。
映画なのに舞台の客席のような感覚で、声に出る笑いもあり
岩谷さんのあのシーン、みなさん心の中で「キタ―(゚∀゚)―!!」
って思ってるように感じがして最高でした。
(気のせいじゃないといいな…)
真向から受け止めると、人によっては
不謹慎と不道徳の極みみたいになっちゃうかもしれないけど
発想の転換ってことで。
そういうのを教えてもらったのは、やっぱ舞台と映画だなと
改めて思ったりします。