おそば屋さんのカツカレー丼

クナシリのおそば屋さんのカツカレー丼のレビュー・感想・評価

クナシリ(2019年製作の映画)
-
北海道知床半島の東側、羅臼町からは天気が良ければ国後島を根室海峡の先に望むことができる。
こんなにも近いのにあの島に対して「綺麗だ」といった気持ちしか抱くことができない。そんなにも国後島について僕は何も知らなかった。
ということで、これも何かの縁と思い鑑賞。

とても評価するのが難しい作品だったと思う。正直に言えば面白くはなかった。
ドキュメンタリーとしては表層的だった印象。国後島という場所の歴史を知っている人たちの声は集められているのかもしれないが、その歴史を知らない子供たちの気持ちや、その親たちがなぜ国後島に移り住んだのかといった背景がまるでない。
ロシアからもある種見捨てられているような、インフラも十分に整備されていないような場所で生活する苦しさや辛さは映されるけれど、それだけ。
ただ、監督自身もロシア側からの規制などと闘いながらギリギリのラインでこの作品を作り上げ、世に出しているのだろうと思う(パンフレットにもインタビューでのそうした記載があった)。だから一概には駄作だとは言えない。
国後島という場所の緊張感と難しさを伝えるという意味では、意義のある作品だったのかもしれない。