『エンニオ・モリコーネ特選上映』の、あの予告編を見てしまったら、誰だってスクリーンに足を運びたくなるってもんです。彼の音楽を聴くのにスクリーンほど適した場所はないわけでしょう。
もっと落ち着いた展開の映画だと予想していたけれど、思いの外、序盤からアクセル全開の法廷劇で、やっぱり描きたいのはサッコとヴァンゼッティという2人のイタリア人アナーキストの姿というよりも、冤罪事件そのものであり、1920年当時のアメリカの姿なんだろうということがよく分かる。その醜いまでに暴力的な姿は、資本主義が単なる経済システムではないことを詳らかにしている。