すごい作品でした…
なんというか、人間の精神性や
人間関係の一番怖くて危ういところを
びしびし描いていて、とても恐ろしかったです
アイルランドの孤島、イニシェリン島という
美しくも閉鎖的な社会
そこで起こる、ある男同士の
いさかいを描いた物語でしたが、
そこにあるものは
「年齢を重ね、いよいよ何かを残したくなった音楽家」と
「学はないものの、日々飲んで楽しく生きていたかった農夫」
との、すれ違いが起こした狂気でした
閉鎖的であるからこそ、
その関係性に依存し、
一度嫌いになってしまったら、
そこから復活させるのは
かなり難しいのが人間関係の難しさ
頑固な2人が繰り広げる
ギチギチとしたやり取りには
毎回「なんでこんなことするかなー」と
口出ししたくなりました
よくある人間トラブルに
閉鎖空間と狂気という味付け、
そして美しい自然と生き物たちも
加わり、ものすごく色濃い作品に
仕上がっていました
個人的には『ライトハウス』とも
近しい世界観かな、とも感じました
コリンファレルの八の字眉のしつこさに
辟易としつつ、
コルムの指切断に
「…もうやめなはれ」と思いました
ドミニク役のバリーコーガン、
すごく見覚えあるなと思ったら
『ダンケルク』と『聖なる鹿殺し』の人ね、
納得
この人の演技、凄かったです
『ギルバート・グレイプ』のディカプリオが演じたアーニーにも通じる凄みがありました
しかし、この物語には
宗教的背景が関係しているのかなと
思いました なんとなく
