登場人物は多いし、いくつもの時間軸が同時に進んでいく時間軸変態のノーラン構成で、ちゃんと理解しようとすると難解だけど、本流のストーリーを追うことでは大枠理解できるし、原作は未読ではあるけど、おそらく映画表現としてこれ以上はないんじゃないかっていうほど素晴らしいものになっていたと思う。
この作品でひとつの肝になる爆発のシーンにおいて、CG表現を良しとしないノーラン作品では、それをいかに表現するかヴィジュアルエフェクトチームにとっては、マンハッタン計画と同じように難業だったとのことだけど、
やはりあのシーンでは原子爆弾というものの脅威をよりリアリティをもってこちらに訴えかけようとしてるのを感じたし、
日本人であるという意味での当事者な自分にとってはとても複雑な気持ちになる瞬間だった。
ただ本作はオッペンハイマーをヒーローとして扱ってるものではないし、アゲインスト作品になってるから、なぜ日本公開がここまで遅れたのかは理解できないけど、戦後の今を生きる日本人として、この作品を通して知れたことや改めて考えるきっかけをもらえたことも含めこれを見ることができてよかった。
