さききち

オッペンハイマーのさききちのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2024年16本目&25本目
初日初回 IMAXGT@池袋グラシネ

これが公開される社会で良かった。
戦争や原爆讃歌ではなく、むしろそのアンチテーゼになっていて安堵。
主眼はオッペンハイマーという「人」。
人間の不安定さと選択による業と責任、後悔が時系列を組み替えながら波打つ。
緊張と自責がスクリーンに結実し、ラストカットに痺れた。

前半→ロバートの人間性とバックヤード
中盤→原爆開発〜トリニティ実験〜投下
後半→ロバート失脚を目論む策略(ストローズ!)

エピソードを取捨選択しつつ、後半は「原爆」譚や映像を期待した観客をも唸らせるわかりやすい見せ場もあり、流石とノーランと思った。

【2024.4.8追記】
再鑑賞@TOHO立川IMAX

開始直後、爆炎に合わせて「あの靴音」が響き、鳴り止むまで、めちゃくちゃ鳥肌が立った。初見時には何の音かわからなかったあの音。あの音を爆音で聴けただけでもう満足。

初見以降、歴史的背景および各人物の背景を学んだうえで再鑑賞。
時系列・場面・人物が入り組んだ各シーンがクリアになった。
事前知識次第で作品が驚くほど明瞭になる。

トリニティの爆発→無音→爆風&爆音の迫力は言わずもがな。
実験成功までの中盤までと比較し、後半が拡大と面白く、対比と相似の構成が痛快(こういって良いかわからないが。)

繰り返される台詞も2度目の方が印象に残った。アインシュタインとの会話「世界を壊してしまった」や弟との会話「君が嬉しいと僕も嬉しい」、タトロック「花は要らない」など。

『DUNE』に同じく、人物のクロース/バストアップショットが多用される点も印象的。

公開中に、IMAXスクリーンで今一度観れてよかった。
さききち

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