オトメチカ

オッペンハイマーのオトメチカのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
軍事技術からスタートして、今自分の生活を便利にしているものはたくさんある、それはそう。しかし軍事技術がたくさんの人の生命を奪っているのも本当。そして軍事技術が元々は純粋な学問の追求だったかもしれないこともまた本当で、プロジェクトや自分の理論が完成を見ることがとても嬉しいのも本当で、でもそれ全部一気にひとりで背負ったらきっついよなあ、って、原爆が何をしたかを理解したあとの博士のうつろなブルーアイズ見ながら思った。人って御しがたいな、とため息が出た。ままならん。人間超ままならん。
原爆の実験が行われたシーン、最後のピースがはまった瞬間に(ああ完成しちゃった……)とじんわり涙が出たのは被爆国の人間だからですかね。あと、最終的には人を殺す爆弾の原料、ウランの必要量を模したガラスのボウルに毎日、現在のウランの量を示すビー玉が歓声とともに溜まっていくの、カラフルにHiroshimaとNagasakiのカウントダウンされてくのもつらかったな。物理学300年の集大成が爆弾か、みたいなことを言っていた同僚に、それな!!!! と鑑賞中一番頷いた(二番目は「戦えや!」と妻がオッペンハイマーにブチ切れるシーン)。

あと映画としては、CG大嫌いノーラン監督だけど、核の炎が地球の表面に広がったり、原子が粒や紐になって遊んだり、上空をたくさんのミサイルが覆う各種イメージ映像はCG使わずどうやって撮ったのか気になるよね。
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