オッペンハイマー個人の振る舞いや
市井の人々の生活ではなく
戦時における政治や、科学のあり方
核の出現による世界の再構成といった
抽象的な主題だったように思う
まぁノーランだし
そういう意味で、広島長崎を描かなかったことは
当然とも、うまく逃げたとも言える
彼らは市民を虐殺したかったわけではない
ただドイツに勝ちたかった、勝つ必要があった
そこに悲惨な被爆地を描写したところで
原爆の開発も投下も止められない
赤狩りの話はよく分からなかった
水爆反対派に回ったオッペンハイマーの心情か
それとも戦争が終われば、敵が変われば
善悪が変わることを描いてるのか、両方かな？
山崎監督が日本がアンサー作品を作らなければ
と何かのインタビューで答えていたけれど
戦争突入に至った経緯や
敗北間近での原爆投下を止められなかった政治
(日本も、日本以外の国たちも含めて)、
日本でも開発を進めていた現実と向き合った
作品になるだろうか
広島長崎のその先、核を手に入れた後の世界を
どう生きるかを描く作品になるだろうか
それを日本が作れるだろうか
あんなに厳重に備えた実験が必要な兵器を
いよいよ実戦配備する恐怖より
実験成功の喜びが勝つシーンが
一番恐ろしかったな
