このレビューはネタバレを含みます
IMAXで鑑賞。
事前情報として
・会話劇
・専門用語多数
ときいていたので、1900年頃からの量子力学の発展の流れとオッペンハイマーのざっとした年表を予習。お陰で映画に集中しやすかった。
見る前は、見終わったら平和学習の後のなんとも言えない気持ちになるのかな…と不安だったけれど、思ったより平気だった。あくまでオッペンハイマーの半生を描いていた、ミステリー的?な話の展開だったので、変に重くならず１本の面白い映画として見ることができた。ロバート・ダウニー・Jrがとても良かった。
ただ、やはり『日本』というワードが出てきたあたりからは複雑な気持ちになった。チーム一丸で計画の成功を目指す。上から納期を迫られる。作っているのが核じゃなくて、もっと平和的なものだったなら、純粋な仕事ものというか、もっと感情移入も出来たと思う。ただ核なので…、なぜそこまで必死になるのかと思ってしまった。作ったその先の想像まで出来ているのに。
黒焦げの死体や、皮膚が爛れる女性、一瞬で人々が消える、など原爆被害の描写は少しあったけれど、原爆資料館で見た衝撃には遠く及ばなかった。世界の人がこの映画を見たとき、これが原爆かーとそこで止まらず、原爆被害に関心を持つきっかけになってほしいと思った。そういう意味では、過去の戦争への関心が薄くなっている全ての人に見てもらいたい映画。平和学習教材にすらなり得る映画だと思う。（学校で流すには気まずい場面あるけど）
他の登場人物も細かく描写されていて、それぞれの生き方、思惑があった。どんなに優秀な人でも一人では生きていなくて、周りや世間との関わり方、自分の持って行き方を考えなくてはいけないのだと感じさせられた。
ということで3時間、腰は少々痛かったけど充実した時間でした。映画館で見て!!
