のこ

オッペンハイマーののこのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
5.0
日本国民として過去の悍ましい歴史の瞬間を!!!
実験を経て 広島 長崎に原子爆弾が落とされる!
歴史は終わってるのに その瞬間が蘇って来るようで!
切なかったですね⚡⚡⚡

オッペンハイマー!
ドイツにルーツを持つユダヤ系米国人!
作品の中でも ヒットラーからよく逃げて来られたと
言われてましたが~
ナチスを憎んでいた彼は!
当時世界トップの量子物理学研究を誇っていたドイツよりも先に原子爆弾を成功させたかった!
ユダヤ人 オッペンハイマーの根深い思いが!
1942年 米国政府による原爆開発機密計画「マンハッタン計画」のリーダーとなって原子爆弾を作ることに!

早熟で子供の頃から宇宙が大好き~ 
1930年代末には宇宙物理学の領域 ブラックホール研究から原爆開発へと~
  
憎きナチスに対抗するために~
そして ドイツと手を組んだ日本に対しても
憎しみが心の底からふつふつと~
日本に来たことも 日本人と話したこともないのに?
(1960に初来日 弔意を表して 公演も~)
憎きヒトラー率いるドイツと同盟を結んでいた日本を~
さらに1941年12月、日本軍による真珠湾への攻撃もあって
(美しいパールハーバー ハワイに行く度にここを散歩しますが
日本人としていつも申し訳なかったと切ない思いになります)

原爆の真の目的は、ソ連参戦前の終戦を実現!
間接的には原爆の威力を世界に見せつけ有利な戦後処理
を行うこと~

日本にできるだけ早く降伏させたくて
戦後、世界で優位に立ちたいアメリカは~広島 長崎に!
(本作観ながら 過去を変えれるものなら~もっと早く降伏すればこの悲劇は回避できたのではと~心苦しく)

米政府の意図と
科学者としてのオッペンハイマーの原爆投下の思いが違っていて~
戦後 トルーマン大統領とホワイトハウスでの面会で
「大統領、私は自分の手が血塗られているように感じます」彼のこの言葉に腹を立て 弱虫と罵り~
二度と会うことなく

原爆を投下された広島 長崎の映像はなかったですが~
彼はその悲惨な人々の姿を見ながら 苦しむ顔が~

核兵器の破壊力 人類の自滅をもたらすと考えて
水素爆弾など強力な核兵器活動の開発も反対~

世界の注目を浴びたオッペンハイマーですが
赤狩りも始まり~ 
妻キティ(エミリー・ブラント)弟フランク、フランクの妻ジャッキー 大学時代の恋人ジーン・タットロック(フローレンス・ピュー)はアメリカ共産党員 
レズリー・グローヴス(マット・デイモン)は彼の共産党へのシンパシーを知りながらも彼の仕事を信頼し続けた。 
 
また、ソ連が4年後に核実験成功したのも 
彼がソ連のスパイだったかのではと~疑いが

大戦後の原爆などの核兵器を管理する原子力委員会は
AEC創設委員の1人であり 後の委員長のストローズ(ロバート・ダウニー・Jr)は 
アドバイザーをつとめたオッペンハイマーが水爆の開発に反対で
原爆研究からオッペンハイマーを事実上追放!
ロバート・ダウニー・Jrの憎々しい演技が見事で
アカデミー賞助演男優賞も納得!!

後半から1時間 実験 原爆投下までの張り詰めた緊張感
世界を破壊する瞬間~ 
原爆を作った男 
オッペンハイマーの世界に生きている全世界の人々!
平和を願う監督の思いを感じながら~

将来~もしAIが原子爆弾のスイッチを入れてしまったら~ 
恐ろしい未来を感じましたが 
人間の善い心を 見失わない未来を祈ってます。

本作の一番の魅力は
何と言っても オッペンハイマーを見事に演じた
キリアン・マーフィ!!
前半と赤狩りからの後半がとっても長くて~~~泣
キリアン・マーフィの魅力がなかったら~
きっと眠っていたかも~w
アカデミー賞最優秀主演男優賞 素敵でした😊

2024 4月3日 伏見ミリオン座(名古屋)
のこ

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