ノーラン監督ファンとしてはどうしても映画館で見たかったので遂に見ることができて満足です。
量子力学や数学といった映像で表現しにくいものを本当にうまく演出するよなと毎度のことながら感心してしまいます。今回は何より音響効果がすごかったので、音響の良い劇場で見るのをおすすめします。
学生時代から老人期まで演じたキリアンマーフィーはじめ役者も皆素晴らしく、一体こんな難解な映画の脚本だけ読んでどうやって気持ち作って撮影してるのか聞いてみたいです笑。ロバートダウニーjr.はアイアンマンの印象が強過ぎて、中盤くらいまで別の役者だと思って見てました（笑）
が、役者も演出も音楽も脚本も素晴らしいのに、ストーリー自体がとても気持ち悪くて、テネットやインセプションのようなオリジナルストーリーの方がノーラン節を堪能できて好きでした。
人間の気持ち悪さ、アメリカという国の気持ち悪さ、政治家という生物の気持ち悪さ、現実にもある色んな気持ち悪いが詰まったストーリーで、途中若干気分が悪くなりました。
広島長崎の惨状を描かなかったのは主題が逸れるからだと思いますし、それは正解だと思いますが、描かなかったことで原爆投下された下で具体的に起きたことを知らない欧米人はオッペンハイマー氏を戦後にハメられた可哀想な人として片付けて見てる人も多いのではないかと危惧してしまいます。
私としては後半特に印象的な気持ち悪いセリフが多かったのですが、アメリカの気持ち悪さを一言で表したようなトルーマン大統領の「誰も原爆を発明した人のことなんか恨んでない」から後のセリフが1番気持ち悪かったです。そしてそのセリフを頭の中に残すワンシーンしか出演してないゲイリーオールドマン(普段のイケオジ感がゼロ過ぎて気付かなかった…)が流石でした。
