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オッペンハイマーのmiminagaのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
「我は死、世界の破壊者」
冒頭に出てくるこの言葉はオッペンハイマー自身がこの一節を思い出していたと語ったものらしい。

数週間で新しい言語を習得するほどの知性の向かった先が原爆だった事がとても悲しい。研究者で未知のものに限りなく違い場所にいて環境と大義を与えられたのだから、結果を見ないふりして没入してしまうのも当然の流れかもしれない。ただ、日本人として、セリフの端々に違和感を感じ、辛く苦しくなった。

映画としては議論の場の白熱ぶりが息するのも忘れさせるほどの名演。そして原爆の映像と音。炎に撫でられたような臨場感だった。もちろん実際はこんなもんじゃないんだけど、大きなスクリーンでこれを観て感じることに意味があると思う。

確かに日本以外に原爆を落とされた国はまだないから抑止力になってると言えるのかもしれない。原爆がない世界だったらどうだったのか。改めて考えるきっかけになった。とりあえず配給されたこと、日本でこの作品をたくさんの人が見ることに意義があると思う。
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