オッペンハイマーの生涯を追体験する作品。
物語全体としては、時間軸を再構築しながら、オッペンハイマーの生涯を多層的に浮き上がらせるように構成されている。
SFではないので派手な映像的な演出はないですが、随所に出てくる心象風景、オッペンハイマーの良心が幻聴・幻覚になって現れるシーン、トリニティ実験の演出などは素晴らしく、見どころ。
この作品も例に漏れず、映画への没入感がすごい。映画を見終わり、現代に戻った観客たちは「彼の生み出した原罪を、我々はどう贖うのか」という問いを抱えて映画館を後にすることでしょう。
副読本として、NHKスペシャル映像の世紀『マンハッタン計画 オッペンハイマーの栄光と罪』をおすすめします。