Ideon

イニシェリン島の精霊のIdeonのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.0
 イニシェリン島に住むパードリックは細々と牧畜をしながら、仕事が終わると親友のコルムとパブで一杯やるのが唯一の楽しみだった。今日も仕事帰りにコルムを誘ってパブに出かけるはずだったが、コルムにいきなり絶交を言い渡される。理由が分からずコルムに問いかけるパードリックだったが、コルムは今後話しかけるたびに両手の指を切り落とすという驚くべき宣言をするのだった…というお話。
 スリービルボードのマーティン・マクドナー監督の新作。前作に続き、基本的に善人である人々のどうにもならない対立を描いている。閉鎖的でどちらかというと意地悪な島民たちの中で、かなり良い人であるパードリックとコルムの関係が、ふとしたきっかけで崖を転がり落ちるように悪化していく。島の美しい風景をバックに、コリン・ファレルとブレンダン・グリーソンが二人の主人公の微妙な関係性を見事に演じている。終始、八の字になっているコリン・ファレルの眉毛が印象に残る。
Ideon

Ideon