ピロシキ

イニシェリン島の精霊のピロシキのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.6
大自然に囲まれてはいるがあまり日光を浴びていなくて幸せホルモンは少なそうな、架空の島の住人たち。海の向こうの内戦はオオゴトだが、親友同士のケンカだってじゅうぶんオオゴトなのだそうだ。

おっさんがおっさんに絶交を言い渡した理由、我々はその真の理由を知ることはない。些細なこと、つまらないこと、もしかしたら理不尽なことなのかもしれない。ただ友人に、彼は言う。「お前は退屈だ、俺は静かな暮らしがしたい」と。しかしその、ほんの小さなボタンの掛け違いがエスカレートして、お互いに振り上げた拳を降ろせなくなっていく。やがてその拳から、血が滴る。そして小さな摩擦は熱を帯び、ある日ついに燃え上がる。

この監督、前作スリー・ビルボードでも同じようなことを語っていた。激震が走るような出来事のないかわりに、ずっとグラグラ揺れつづけている。正直「もう激震が走ればいいのに」などと思ってしまったりした。なんというか、ちょっと途中眠くなってしまった。主要キャスト4名全員がオスカーにノミネートしたことに、異論はない。ただ、誰が演じたどのキャラクターにも、人間としての魅力を見いだせなかった。だからちょっと寝そうになったのよッ
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