Mami

イニシェリン島の精霊のMamiのレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.3
ただただ美しい風景が島の絶望感を包み込む。

田舎に住みたくない理由がてんこ盛りの島のお話。
こじらせ過ぎなおじさんとおじいさんが無敵の人になって破壊行為を繰り返すお話。

コルム視点だと、音楽を楽しむ静かな余生を過ごすのにパードリックの無駄話はウザかったんだろう。にしてもいきなりやん。もうちょいうまく伝えようよ。
パードリック視点では、これまでの毎日が当たり前すぎて、コルムとバーでくだを巻く以外の過ごし方がわからんのやろな。島の外に出るのも考えられない。いるいる、私の地元にもそういう価値観の人。
妹視点だと、この島に耐えられなかったんだろう。本島に渡ったのは正解。勇気のある人。
少年視点だと、パードリックへの憧れがあったのかな。憧れというか、自分の将来像を重ねてたというか。なのにめっちゃ低レベルな意地悪エピソードを聞いて絶望したんだろう。結末はとても残念。

内戦は、どういう意味なんだろう?もうちょいストーリーに関わってくるのかなと思ったけど。メタファ的な?よくわからんかった。

そういう繊細な人間心理を美しい風景にのせて…映画的に素晴らしいのだと思うんだけど、正直ちょっと睡魔との戦いって感じでした…
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