ーー町内でも随一の仲の良さだったパードリックとコルム。ある日、一方的に絶縁を告げられたパードリックは、当然納得できるはずもなく町中を巻き込んでコルムに説得にいく。しかし、返ってきた答えは非常に冷酷なものだった。ーー
自分の見えている世界が全て。まして、対岸の火事が自分に降りかかろうとも、それを飲み込む器量を持てないのがとても人間らしい。浅ましい。
特に小さなコミュニティに属しているほど、排斥意識も強くなり、身体も生活環境も人間関係も失うことに躊躇がない。
見ているこちらは狂気だとか乱心だとか執着だとも捉えるけど、当の本人たちには清々しさがある。この作品は、そこのギャップに沼れる点に魅力があるのだと思った。
とはいえ気持ちの良い作品ではない(笑)
また見たいとか勧めたいとはあまり思えない内容だった。
"精霊" や、警官の息子、港の噂話大好き店主など、キャラクターに幅があってよかった。