日本アニメ映画音楽部門の視覚・聴覚効果をぶっちぎった一作ではないでしょうか！映画館で観たかった…！！！！
原作は一巻くらいしか読んでいないので、ストーリー展開、人物描写には全く違和感なく入り込めた。
ストーリーは王道に世界一のジャズプレイヤーを目指すサックスプレイヤーが主人公の話。超絶ピアニストと、主人公に感化された素人のドラムとjassというバンドを組むことになる。
jazzではバンドを組んでもそれは一時的であるということで、その刹那性がjassの中にも、この映画の中にも現れていて終盤胸を掴まれた。
jazzは全くわからないが、心動かされる音とライブだった。人の感情を動かすのに小手先の知識なんてものはいらないというのを、身体で教えてくれる。
兎に角、素人のドラムが成長していく様とその音の変化に痺れる。それと並んで超絶ピアニストの過去や今の葛藤にも触れてキャラクターに色を添えていく。
それぞれの登場人物に焦点が当たっているのだけど、その描き方が音楽のように流れていって多くは語らないのに、透けて見えてくるようだった。
主人公は序盤以外は内面の掘り下げ自体はそこまで多くはないのだが、適所に散りばめられるインタビュー形式での演出がにくい。
上手いことと没頭することは違う。
そして、没頭することと才能は遠いようで実は近くにある。
熱中できるという才能にどれだけ多くの人が気づくことなく、没頭できるのだろうか。
凄いという感情は覚えても、羨ましくはないらない自分に少しばかり寂しささえも覚える、そんな素晴らしい青春音楽映画だった！！
作ろうと思えば続編は作れる、でも今作だけでもしっかりと完結しているその映画としてのあり方も大好物でしたっ！！
