BLUE GIANTのコングのネタバレレビュー・内容・結末

ジャズをテーマにした心震わす作品。世界一になると信じて突き進む大。他者を皮肉っぽく笑い、でもジャズへの情熱は本物の雪祈。本気で打ち込めるものを求め、真っ直ぐ向き合う玉田。三人で困難を乗り越えながらSoBlueのステージを目指していく。
この作品の何が良いかといえば、音楽を通した感情表現が素晴らしかった。挫折を乗り越えた後の雪祈の演奏も良かったし、二人きりのライブでの玉田の演奏も良かった。でも何よりも、アンコールの最後の演奏で、三人が全ての力を引き出し純化していく、高まっていくにつれて、「これがこの三人での最後の演奏なのか」という実感も込み上げてきて切なかった。それが大の視線やしぐさからも感じられて、演奏を聞いているというよりも感情をぶつけられているような感覚に陥り、エンドロールでは放心してしまった。
2時間でこれだけのドラマを描き出せるというのはすごいなと思った。