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デリシュ!のminのレビュー・感想・評価

デリシュ!(2021年製作の映画)
4.0
やだ、なに、このオシャレなエンドロール!!

冒頭の気色悪い上に性格も悪い白塗りで鬘の貴族どもと食に感謝のかけらもない人間失格司祭のあまりの胸くそ悪さに観るのをやめようかと思ったのですが、なんだかんだオシャレなエンドロールまで見てしまいました。

いわゆるレストランの始まりの物語。

ルイ16世はジャガイモの普及に力を入れたと聞いたことがあるけれど、ルイ16世って凄くない?と思いながら観ました。
主人公のシェフの主人がこんなしょうもない貴族でなく、ルイ16世だったら良かったのに。

そんなジャガイモですが、この時代は、種でなく根茎で増えるのは卑猥な植物なんて言われていたそうな。(そんなこと言い出す輩が一番卑猥なのですわ。)

でも、ジャガイモ(イモ類)に対する差別って今でも地道に残ってるなと感じる場面もあります。田舎者のことを「イモ」って言ってみたり、あと、イタリア語の先生は「日本は好きなんだ〜!だってイタリアと同じで国土の形が美しいだろう?フランスやドイツみたいなイモみたいな形じゃない」的なことを言ってまして(笑)

話はそれましたが、ラストはスッキリ幸せでした。パリではあんなに多くの血を流し命が奪われた革命も、少し田舎に入ってしまえば、こんな平穏な感じだったのかしら。

食は人間の基本。人間や文明の成長は食の多様化でもあるとは思うのですが、体も心も満たしてくれる食は本当にありがたく、感謝を持っていただける自分でありたいと、冒頭の司祭にはなってはならぬと改めて心しました。

主人公の息子のセリフ、良かったなぁ。
貴族であろうが平民であろうがお客は同じ。

あの貴族、革命後どうなったのだろう?
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