黒羊

ラーゲリより愛を込めての黒羊のレビュー・感想・評価

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
3.0
母方の祖父、祖母がまさにこの映画の二宮演じる山本、北川景子演じる妻だったので、母から少しだけ聞いていた話に似ていたので、なんかどんな感情で観たらいいかよく分からなかった。

二宮が丸メガネでスーツ着てる姿、髪を七三分けにしたらまんまおじいちゃんが写っていた写真でね。既視感やでホンマ。

満鉄勤務の祖父は終戦間近、兵隊に取られ、ソ連軍の捕虜となって強制収容所に行った。日本に帰る事は出来なかった。
祖母と母親含む幼い四姉妹は、命からがら満洲から日本に逃げてきた。身なりはわざと全員ボロボロに、ドロドロに汚して逃げてきた。
母親たちは何回もソ連兵に殺されそうになったらしい。母は銃を突き付けてきた青い目は忘れられないと言うてました。

そんな話や満洲での祖父祖母、家族写真を見ていたので…
色んな意味で観るのが辛い映画やった。この映画を祖母や母親が観たとしたら…辛くて最後まで観れなかったかもしれんね。どう思ったんかなぁ。

まぁワテもそこそこボロ泣きしましたよ!ああ泣いた!
まぁそこは…感動ポルノ的な作り方をしている所もあるけどな。いやぁ泣いた。岸壁の母やってたシーン…懐かしい。

事実?原作?に忠実ぽいけど、その辺は事実や原作を知らないのでどこまでか分かりません。しかし観ていて厳しい箇所はかなり多いです。
日本兵が中国人を殺すシーンも、相手がさっきまでこちらを殺そうとしてた馬賊や匪賊ならある話やと思うし。

まぁ…特に強制収容所での悲惨な状況が描き切れていない。中盤や後半は皆健康的な体、綺麗な歯とか違和感が凄い。収容所での食事改善や死亡者数が減ったなどの説明が無いのでよく分からない。
演者が合う合わないはチョイスや演出が原因ですかね。

戦争が終わったのに11年も帰国出来ず殺され働かされた人々がいた悲惨な歴史を、とりあえず知る事は良い事だと思うが…この映画で良いのか?と思ってしまう。
黒羊

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