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燃えあがる女性記者たちのhrmのレビュー・感想・評価

燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)
3.9
ドキュメンタリーで93分って妥当な尺だと思うけど、めちゃくちゃ短く感じた。
もっと観たかった!

カースト外として差別される「ダリト」の女性たちが立ち上げた新聞社「カパル・ラハリヤ(日本語にすると、ニュースの波だそう)」。
紙媒体はもう古いと、デジタルメディアで記事を発信するために彼女たちがペンの次の武器として使ったのはスマートフォン。
彼女たちの生活環境は、その現代的な端末の存在に違和感を覚えるような質素な場所。
実際、家に電気が来ていないから充電ができない記者もいる。

比較的小柄に見える男性と比較しても、頭一つ分小柄な女性たち。
そんな男性たちが何十人も集まる場所に、ほんの数人で取材に出向く記者たちはとても勇敢。

冒頭で語られる「結婚」のかたちは、家父長制が根強く残る日本の村社会のそれとたいして変わらないように思う。
今現在がどうなのかはわからないけれど、少なくとも約30年前、そういう場所から逃げ出したのが私の母。
私の記憶にある限りずっと仕事を持っている人。
仕事をしたくてしている人だったけれど、「家のことも子育ても完璧にやってその上で」やっと働くこと、女が稼ぐことを認められていたのだと理解している。
それでも全てを遣って退けていた彼女の血を、私は確実に受け継いでいるのだと誇らしく思う。

似非スピリチュアルの提唱者がそれを餌に性的搾取をするというエピソードも日本だって一緒じゃないかと思い、問題の根本に在るものは貧富や先進や発展途上の違いではないのだと感じた(そもそも、今の日本って先進国と言えるのかな?)。

「ラーマ神」の一言で急に「RRR」を思い出して、不思議な気分にもなりました。
華美でなく踊りもしないインド映画をもっと観たい。
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