回想シーンでご飯3杯いける

愛すべき夫妻の秘密の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

愛すべき夫妻の秘密(2021年製作の映画)
3.5
amazonプライム無料体験期間を利用した、amazonオリジナル映画レビュー2本目。'50年代のアメリカで放送されていた大人気ドラマ「アイラブルーシー」を題材にした実話映画なのだが、これってマーベル・ドラマ「ワンダヴィジョン」の元ネタにもなっていた作品なのだそうで、日本人からは想像できないほど影響力があったのだろう。

このドラマで夫婦を演じていた2人が実際にも夫婦であった事も人気の秘密で、日本で言えば長門裕之と南田洋子みたいなものか?(古っ)

夫婦がともに芝居の世界で働いていて人間関係に影響を与えるとという設定は「マリッジ・ストーリー」に似ているのだが、この「愛すべき夫妻の秘密」は私生活よりも番組制作の現場を中心にした構成なのが特徴。プロデューサー、脚本家、共演者、更にはスポンサー企業の幹部を交えて、番組内容に関する議論がヒートアップしていく様子が面白い。

ただ、仕方が無い事とは言え、'50年代のアメリカのドラマが元ネタという事で、日本人である僕には、番組の人気や、登場人物がヒートアップする背景を計り知る事が出来ないのが残念。当時の赤狩りに関するエピソード等も、実在の人物がそうだったという事なのだろうが、政治思想や人権問題に広がりが生まれるような描き方になっていないので、映画としてのカタルシスに欠ける部分がある。

映画賞も、主演のハビエル・バルデムとニコール・キッドマンに対する受賞に限られており、あくまでその演技を楽しむ映画という印象である。