井口陵

僕を育ててくれたテンダー・バーの井口陵のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

 離婚した両親の子供って考えなくてもいいことを考えさせてしまうから不憫って思っちゃうな。それに加えて主人公の母親は息子に期待を負わせてるからなお厳しいよな。でも主人公はそれに応えようとするのあたり、子は親が一番の心の拠り所だって感じる。
 主人公は親以外の人たちにも恵まれてよかった。頑張ったらしっかりと褒めてあげて、結果がでたら一緒に喜んでくれて嬉しかっただろうな。
 ルームメイトからの言葉で俺たちはみんなまぐれでここにいる。ラッキーな精子のおかげで生まれてきたってセリフ笑った。
 人を好きになると経済格差とか育ってきた背景が違うと気後れするけど、若ければ若いほどその重さは違う気がする。好きだったシドニー、その両親から品定めされてるJRに同情する。自分や母親を侮辱されるなんて耐えられないだろうし。でも、それでもシドニーに気持ちを寄せるのも仕方ない。完膚なきまでの失恋の後は酒もタバコはたまらないだろうな。失恋の後にNYTの記者にもなれず、親戚の叔父さんは病気を患ったりで気が滅入っただろうけど、叔父さんが言った酒でも飲んで元気を出せってなんでもない言葉でなんとか踏ん張れるんだろうな。
 クソみたいな父親との決別、自立で前に進む主人公は本当にかっこいい。子供に夢を持たせて、前向きにさせる周囲の大人もまたかっこいい。
井口陵

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