ジェニファー

デューン 砂の惑星PART2のジェニファーのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.5
前作はあまり芳しい評価を受けなかったものの、個人的には好きな映画だった。(何度見返しても眠くなるが)
で、どうやら今作から一気に話が進むらしいぞ、と。
じゃあ多少はエンタメっぽくなって楽しいか、と。
なんやかんやでドゥニ監督のエンタメと言えば「ボーダーライン」があるし大好きなので、これは期待できるぞ、と。
しかも全編フルサイズIMAXらしいぞ、と。

そりゃあ行きますよ。
万博記念公園の109シネマズにね。

というわけで、先にIMAXの感想を書かせてくれ。
いつも公開中の映画はネタバレ注意付きで感想書くんだけど、これだけはなるべく多くの人に体験して欲しいので敢えてネタバレを伏せて書く努力をする。

もうね。凄すぎよ。究極の映像体験。
実力のある監督にアホほど金渡してちゃんと作った、現段階での最高出力のエンタメ。
MSで言えばνガンダム。
視界全部がスクリーン。前の方で見たので、画面端は視界から切れちゃってるし、見上げないと見れないし、目線の先ににあるのはクソデカ字幕(これだけはどうにかしてくれ)。
顔のクローズアップが凄い。視界いっぱいにシャラメの顔。綺麗すぎてお花畑かと思った。
迫ってくるサンドワームのカット。マジで飲まれると思った。
ハンスジマーの音。重低音が凄い。椅子がガタガタ震えるんよ。もう4DXじゃん。で、内臓もドコドコなる。5DXか?少なくとも、以前見た4DXよりは遥かに没入感があった。
曲もね、ここ見て!ってところで「ドゥーン!!!」と鳴るからうおっ!!!ってなりやすい。親切だ。
広大な砂漠で繰り広げられるスペクタクル。画面いっぱいに人間が躍動し、(ばかうけ的引き算のデザインラインの)マシンが唸り、サンドワームが迫ってくる。その全てがIMAXのために作られたような映画。これはIMAXで見ないと損ですよ。できればIMAXレーザー、さらにいうと池袋グランドシネマサンシャインかエキスポシティの109シネマズ。

IMAXの感想だけで長文になったが、当然内容も素晴らしかった。
大筋は単純だが設定は複雑なのでそこがとっつにくさもあるし、前作をスローにさせた原因の一つでもあるのだが、今作では全編通して対比が多く用いられ、要素を強調しながら描いているのでわかりやすいし、構造として美しい。太陽と月、砂漠と鋼、砂と水、軍産主義と信仰、男と女、ポールとフェイドなどなど。
前作ではほとんど出番がなかった、チャニをはじめとするフレメン軍団。宇宙を裏で牛耳るベネ・ゲセリットの女達、帝国に使える哀れな社畜たち、みんなキャラ立ってたな…。
とくにオースティンバトラー演じるフェイドは、所謂サイコパスな狂王。めちゃくちゃカッコよかったな。ナイフ舐めた時は心配だったけど。
注目すべきはチャニやジェシカやイルーランらの女性のドラマ。世界をわかりやすく支配しているのはどの組織も男だが、その男を捨て身で操っているのは女性。前作でもこのモチーフは描かれていたが、今作ではより如実に、核心に触れる形で描かれている。
また、ポールのドラマも興味深く、単純な英雄譚ではないものをついつい感じてしまう。
それから、CQCと剣舞を合わせたような独特のアクションや、オーニソプターなどのマシン、ガジェットは前作から引き続き魅力的だった。「今までに見たことないものを見せられてる感」が凄い。冒頭シーンのフワッと浮いて移動する敵兵のカット。何気なく見たことないものが出てきたのでギョッとした。「2001年宇宙の旅」を初めて見た時を思い出す。
サンドワームを呼ぶアレの「ストン…ストン…」って音がだんだん癖になってくる。
あと2回は見てもいい。ソフトも欲しい。パンフレットも欲しかったが売り切れていた。大好きな映画。今年ベスト候補。
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