ジェニファー

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のジェニファーのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

うん…まぁ…期待値が高すぎたってことで…

高校生の青春モノ、というとボーイミーツガールを想像しそうなモノだが、
今作は「ゴーストワールド」を彷彿とさせるようなルサンチマンな少女たちのストーリーをベースに、「第9地区」「シン・ゴジラ」や9.11、3.11なんかをドカドカ盛り込んだサブカルの闇鍋みたいな内容。観るヴィレバンだ。

それ自体は面白いと思うのだけど、明らかに映画化した際に生じた歪みのようなモノがあって、そこが目につく。
演出はヌルく、テンポも悪ければ構成も散らかっており、抑揚もない。
ジェットコースターの高いところでちょっとだけ上下してるような映画で、「いつになったら落ちるんだろ」と思ってる内に終わるような体験だった。
体感時間は5時間ほどで、終盤はトイレのことばかり考えてしまっていた。

最初に「期待値が高すぎた」と書いたが、なぜかというとこの映画で起こることはほとんど予告で見せてしまっていて、そこまでたどり着くのに大半の尺を割いているからだと思われる。
予告を見て、映画の「承」くらいだと思ってた展開が実は「転」だった、みたいな。それはもう予告で知ってるから、その先の話をしてほしいのにやたらとそこを引っ張って仰々しい音楽と感動を誘ってくる大粒の涙と一緒にお出しされるので、まぁノレなかった。
これに関しては本編というよりもプロモーションの問題かとも思うのだが、ジブリの「君どう」のプロモーションもそうだったように、そもそもいつもの手つきで予告を作れるタイプの構造の映画じゃないのだ。アートとビジネスの捩れを感じる。

あのちゃんと幾田りらは良かった。特に後者は「竜とそばかすの姫」でも演技の片鱗をチラ見せして興味が尽きなかったので、今作ではイクラ力を浴びるほど味わえたので満足。
ジェニファー

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