このレビューはネタバレを含みます
鑑賞前に1作目の復習、予備知識の予習し映画館へ。
相変わらず、ドゥニヴィルヌーヴ監督の映像美に圧倒されっぱなし。
乗り物ひとつひとつが独創的だし、ライティングの美しさ、見せ方の上手さ、心情の描き方、まずはストーリー云々よりこのSF大作を驚きの映画体験で魅せてくれることに感謝。
(特にポールとラウサの決闘シーン、ラウサのコロシアム？のシーン、美しかった！！)
原作は知らないが、長い作品なのにしっかりまとめられていると思います。
母ジェシカが教母になり、ポールをクウィサッツハデラックになるように導くのも、ポールがクウィサッツハデラックとして、悩みながらも指導者の道を進んでしまうところも。
全てが道として用意されていて、それ以外選ぶことが許されなかった、ようにみえる。
アトレイデスを戦略的に攻撃した皇帝や1作目では完全な悪漢として映ったハルコンネン家でさえ、より大きな力にいつも怯えている。
だからこそ派手な戦争アクションシーンであってもそれはどこか切ない。
ラストシーン、完全に復讐を終えたポールの叫びさえ明るい未来を予感させるものではなかった。
唯一、自分の意思で行動できるチャニは監督の意向で現代女性を反映させている存在だときく。だからこその最後の行動。
前半ポールとフレメンとの交流を丁寧に見せていること、ポールとチャニの関係をしっかり描いていること、最後の行動に説得力を持たせるいい伏線だと思う。
(フレメンの戦士として名前決めるとき、砂ネズミの名前にしたい！っていうポールが好き。時々見てる茶目っ気が健在だと唯一ほっとしたシーン)
ベネ・ゲセリットの魔女たちの集団、フレメンの教母、女性でしか耐えることのできない試練、お腹の中で発言する妹、皇帝の娘、個人の意見で行動する戦士チャニ･･･今後関わるだろうラウサの娘、、
震えるほどに女性が導き手として重要な役割を担っている。
今回も女性たちの導きにより、ポールはクウィサッツハデラックの道を選ばられた。
苦しくて、切ないけど、彼を応援し続けたいと思った。
