砂の世界に入り込み、
砂の世界に魅了される。
人間の社会が未だ開拓できない未開の地の存在を今の時代でもリアルに感じる。
想像も出来ない程多くの人が関わったであろうこんな大作で、世界観の表現をここまで一貫して映像と音響により作り上げた監督の凄みも感じた。
フレメンの居住地の荘厳さや、フレメンの宗教観、若者との温度差等フレメンの風習、慣習、空気感が現実を想起させる。
本来ヒーロー的な人物像であるポールと、フレメンとの関係が、現実世界の歴史と重なる危うさを徐々に帯びていく様も、行き過ぎない表現で描かれており、無自覚な悪に何とも言えない気持ちになる。
女性たちの存在もとても大きい。
特に、チャニのその視線。
ポールの危うさを1人の人を愛するどこにも属さないただ1人として見つめる視線の力強さ。