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デューン 砂の惑星PART2のJPのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.1
▼実はヴィレッジスリラー?!
オカン覚醒の場面が「ミッドサマー」とかのヴィレッジスリラー感があって◎
ババアの濁った目。怪しすぎる液体。そんでもって幻覚演出のトリップ感。全部コワすぎ!!
監督がキューブリックの域に迫ると言われていたのも納得。青い目の胎児とか
「2001年宇宙の旅」かと思ったもん。

そして宗教の恐ろしさを感じさせる、ポールの母の言動。
「手始めに、無防備で弱いものから信じさせる」とかコワすぎる!笑
前作ではもはやヒロインとしてポールと行動をともにしていたのに、今作ではダークサイドなのかなんなのかよくわからない、ただひたすら怪しい存在に…!
ポール自身も、青い液体を飲むことになって覚醒し、あんなに「僕は救世主じゃない」とか言ってたのに、バチクソデカい声で民をまとめあげる教祖みたいになっていって怖い!そんな観客の声を代弁するかのような、チャニの複雑な表情…!いつの間にか、チャニが主人公になってるのが良い!

どの展開までが、仕組まれた運命なのかわからない感じが◎
「PART1」ではてっきりハルコンネン家が巨大な陰謀だと思っていたが、その上の皇帝が現れ、それを実は教母が筋書きを作っていて…と、ポールがめきめき強くなっていく一方、それを見る観客とチャニは複雑な気持ちになっていくという…!

▼浮遊する敵と、潜伏するフレメン
ハルコンネンの兵士たちが無重力機能をONにして、次から次へとフワーッと浮いていく場面。サンドワームが来る時ではなく、彼らが浮いていく時にいっちばん恐ろしげな音楽が流れるのが◎
前作に続き、この世界では「浮遊する身体」に邪悪なイメージが色濃く表れている。
一方、フレメンやポールたちはそのシークエンスで、息を潜めながら地面に耳をつけている。彼らは浮くのではなく、砂の中に身を潜め、奇襲をかける。
この浮遊と潜伏の対比が効いていて◎

▼フェイド・ラウサ、怖ええ!!
口の中まで真っ黒で、スキンヘッドがハルコンネン家の誰よりも怖い。痩身スキンヘッドはヴォルデモート的な威厳と風格も漂っており、言うなれば「映画史上最もスタイリッシュな悪魔」。
闘技場の場面は今作の中でもめちゃくちゃ強烈なインパクトを残していて、変な墨汁みたいな花火とか、太陽光が他の惑星のそれとは違うため、世界がモノクロに見えるという演出がすごく良い。
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