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猿の惑星/キングダムのJPのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.5
▼息をのむ映像美と、VFX!

植物と水に覆われて荒廃したビル群、残ったわずかな街灯など、まるでゲームのような美しいディストピア!IMAXの巨大スクリーンでこの世界に包み込まれて最高!
およそ13年ぶりに「猿の惑星」シリーズを見たけど、こんなにVFX凄かったっけ?!めちゃくちゃ綺麗で、猿たちの表情もナチュラルかつ豊か!
自然光の中で、馬に乗った猿たちとか、もうどこまでがVFXなのかマジでわからなかった。馬はあれCGなの?実写なの?メイキング見たい〜!

▼余談
・序盤の、仲良し3匹が卵採りに行くとこ、もう「アバター」やん笑
緑に覆われた塔がそびえたって、水辺があって、フルCGモーションキャプチャーの人間ではない生命体がイキイキと飛び回ってて…
・新章と謳っているだけあって、「猿の惑星:創世記」(2011)くらいしか見たことのない僕でも、割とスッと楽しめる親切設計だったのが嬉しい!
・水辺で逃げ惑う人類を、馬に乗ったおっそろしい猿たちが投げ縄で捕まえて市中引き回しの刑に処すの、元祖「猿の惑星」(1968)にも全く同じような場面があったような…!オマージュなのかな…!
・予告でも見た、草むらに隠れたメイをノアが馬に乗って助ける場面!思ってたより何倍も手に汗握るハラハラシーンになってて良かった!
・ゴリラの、人間よりも殺傷に対する倫理観が無さそうな、無慈悲で野生的な「ゴリプロレス」がなかなか迫力あって良かった!村長が殺されたり、洪水に見舞われる武器庫でのプロレスシークエンス、思ったよりスリリングで◎

▼(以下ネタバレあり)エゴにまみれた異形の生命体は、どっちだ!


あの爆弾作ってる場面で「いや、ちょっと待てよ…メイお前…手放しで応援できる人類代表じゃあなさそうだな…?!!」ってなるのが今作の醍醐味。

そもそも人間と猿の立場と文明が逆になって、「もう人間どこいったんだよ…」とすら感じなくなったスクリーンにいざ人間が映った時、「うおお!人間だ!!」って驚く。異化効果がすごい。完全に人間の方が「未知で異形の生物」にしか見えない。そんなメイが猿に人間の醜い文明である「銃器」を使ってでも、それらを猿に渡さないように阻止するのが、生存本能とエゴが表裏一体となったメイの行動原理となっていて◎
徹底的な人間批評であり、人間を応援できなくなっていくのがこのシリーズの醍醐味なんだろうなあ…。
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