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カッコーの巣の上でのnanamiのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.4
病院の中で決められた予定をこなしているときよりも、
マクマーフィーと病院を抜け出して釣りをしている時の方が患者たち皆生き生きしているんだから、正しい治療って何なんだろうなって思わせられる。
ラストのロボトミー手術も然り。

普通に外を歩いている奴らの方がおかしいというマクマーフィーの発言もそうだけど、
健常者と精神障害者の線引きってとても難しいし、時代と共に変わっていくものだから、
異常だった歴史を振り返って、二度と過ちを犯さないようにする事が大事なんだなと改めて思った。

そして、本作は精神病院の中で変革を起こそうとするマクマーフィーだけでなく、
ネイティブアメリカンのチーフの物語でもある。
人種差別や同化政策など、アメリカの歴史を辿ると見えてくる彼の苦悩。
上述した精神病院の治療法とも繋がる見せ方をしているのは脚本の秀逸さを感じた。
原作も改めてちゃんと読みたいな。
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