ざわさん

カッコーの巣の上でのざわさんのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
3.8
2019年 85本目

これはジャック・ニコルソンの、ジャック・ニコルソンによる、ジャック・ニコルソンのための映画だった。『シャイニング』に次ぐ彼の狂気っぷりと、精神病院の在り方を訴えた名作。ただ、1回見ただけではこの映画の素晴らしさを語ることは出来ないと思ったからこのスコアで。大学でこの映画の時代背景を勉強したけど、社会福祉の濃い映画なんだって。
精神病患者と偽って精神科病棟に送られてきたマクマーフィーが、同じ病棟にいる仲間の「人間性」を証明するために孤軍奮闘する。彼が病院に来てから徐々に活気付いていく周囲の人々と、それを潰そうとする病院側の人間とのやりとりが、見ていて何とも言えない気持ちになる。精神を病んでいるとはいえ、人形のように扱うのは間違っているに決まっている。
マクマーフィーが患者を釣りに連れて行く場面。野球すら見ることが許されていない患者のために、せめてもの「フリ」をする場面。不当な扱いを受けている彼らのためにパーティを開く場面。全てが微笑ましく、自由のために戦った彼の姿が見れて、この映画が語り継がれる理由がわかった。長々書いたけど、これじゃ全然足りない。
ざわさん

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