このレビューはネタバレを含みます
プライドばかりが高く他者を見下すことでしか自分を保てない狭量な男。
自由に生きたいくせにその代償は引き受けられない幼稚な男。
「大切にしたい」と言いつつ他者の好意をどこまでも利用するわがままな男。
生活費は出さないけど他人の人生には口を出せると勘違いした愚かな男。
彼らに見切りをつけて自らの手で米を食らう話 ではなく生活のために男のプライドに配慮しケアしてあげる話。
あの着地は「超越」というよりは一歩後退してる気もするけど。
映画が映画であることを活かした見せ方とか、見ず知らずの彼女たちに芽生える不思議な連帯とか、好きにならざるを得ない作品でもあった。
「普通の人は普通に働いてるから、生きてくってそれだけで大変だから」
「あなたは暇だから＝私のことしか考えることがないから束縛したくなるんじゃないの？」
めちゃくちゃ良い台詞だった。
お米はそういう当たり前だけど大変な「人生」であり「生活」の象徴なのだなーと。
時は戻ったとしても彼らの間に起きた衝突は無かったことにはならないわけで、あの時それぞれにかけた言葉で果たして男たちは変わるのか変わらないのか。個人的には変わらないんじゃない？と思うけど、まあそれでも手を繋いで楽しく生きてけるぜってことか。
考えれば考えるほどよく分からんけど、そんなのどうでも良くなるくらいに祝祭ムード漂う幸福なラストではあった。
