kenkenさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.0

すげー終わり方だな…。ツッコミながら観れるけどそんな楽しくない。「あれどうなった?」「今のどういう事?」みたいなモヤモヤを吹っ飛ばせる程痛快じゃないんよな。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.8

矢継ぎ早にシーンも時間軸も切り替わり登場人物も多く「間」で惹きつける映画ではない。最初はダイジェスト版を観てるような感覚に戸惑った。それでも魅力的な役者陣の演技と撮影と編集と、何より音楽の力で映画が熱>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.9

抑制の効いた演出と情感溢れる映像で、何て事のない話が映画的になる。12歳の2人が別れる帰り道、24歳の2人が再会するビデオ通話、36歳の2人の視線が交わるメリーゴーラウンド。ヘソンの最後のセリフが深く>>続きを読む

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.7

ドンデン返し系映画って分かってるとどうしても肩透かしになる。明らかアイツが怪しいって思うし読めちゃうよなー、もうキャスティングからそうだけど。余計な前情報を入れてしまった自分が悪い。

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.8

後章を観ないと何とも言えない。私と貴方とセカイとの付き合い方の話。割と映像はマイルドだなーでも原作も溜めて溜めて…だったからな、そういう意味でも後章に期待大。アニメーション的にもメチャ振り切ってくれた>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

映像と音響にやられて正常な判断が出来なくなる。サンドワームに乗るシーンとか凄まじい体験で、やっぱり映画館で、IMAXで観る事に意味がある。レア・セドゥとかアニャ・テイラー=ジョイとか殆んど映らないキャ>>続きを読む

南極料理人(2009年製作の映画)

3.5

大した事は何も起こらないが何故か見れる。各々が抱える問題が深掘りされる事はなく、南極の狭い基地で男8人過ごす為の習慣やちょっとした息抜きの描写が続くだけ。でも何故か見れる。作りが丁寧だから成り立ってい>>続きを読む

オーメン(1976年製作の映画)

3.7

意外と子供は何もしないんだね。ツッコミ所は多々あるし死亡シーンはどこかシュールだけど、十分怖い。

ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.0

ぺ・ドゥナを筆頭に愛すべきキャラクター達がマンションで躍動する姿に魅了される。練られて無駄のない脚本と分かりやすく面白い仕掛け、演出にも唸らされる。
どうとでも展開出来そうな幾つもの筋(犬食、賄賂、自
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(1974年製作の映画)

4.3

緑と茶の色合い、モノクロとスローの掛け合わせ、荘厳なクラシック音楽と静寂に心地良く身を委ねるしかない。解釈を拒むようなイメージの断片の連続。それでも、少年期の記憶や陰のある母親の眼差しには何処かで共感>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

4.3

面白い!戦国時代モノで怪談要素もありつつ、人間の欲望とその代償を描き切ってる。
派手さはないけど映像でも魅せる。若狭の屋敷のシーンは特にショットとか陰影とかバチっと決まっててカッコいい。他のシーンも、
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アメリ(2001年製作の映画)

4.0

思ってたよりどぎついしコッテリ。倫理観のユルさはファンタジー的処理でどうにかなる世界。でも観てると段々クセになってくる。
外に出て他者と関わり、自分の人生に彩りを与える。回りくどくても行動するアメリの
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

優しい人も感じの悪い人も、実は傷付いていたり別の真意があったりで各々の裏側がある。皆そんな事は分かっているけど、普段の生活の中では忘れがちで。藤沢や山添や周囲の人間の、正解が無い中で少しずつ相手を理解>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

冒頭から期待通りの不穏さでワクワクしたけども。とにかく法廷のシーンが長過ぎる。飽きはしないけど会話劇で揺さぶられる程でもない。音声データの確認パートとか上手く練られてはいるけどやっぱり長い。

映画が
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.6

登場人物の殆んどが老いている。記憶を辿りながら人生を整理していく。まだやり残した事がある。画はキマッてるけど面白い話ではないし長いな、でもいつかは自分も直面するテーマだなと思いながら観てた。
そしたら
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街の上で(2019年製作の映画)

4.9

下北沢という街とそこにいる人の、魅力的だけど絶妙にどこかいけ好かない感じ。若者達のコミュニケーションの様子とその内容はくだらねぇ〜と感じるけど、このしょうもなさにリアルは宿る。そしてメチャクチャ面白い>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.1

狂気とボタンの掛け違いで、少しずつ全てが上手くいかない様子はどこか可笑しい。淡々と世界滅亡へと突き進んで行くブラックコメディ。公開は1964年、今は2024年だけど決して絵空事とは思えない現実は続いて>>続きを読む

プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

エドワードは何故モース社の買収を止めたのか?純粋なヴィヴィアンに惹かれて何かが変わった?その何かって…何…。業務提携への方針転換がそのまま二人の関係性の変化を暗示してるんだろうけど、心情面がよく分から>>続きを読む

(1954年製作の映画)

4.5

気まずそうな表情、何も上手く出来ない劣等感、抑えきれない暴力性、少しの気遣い。笑わない男の子、立ったまま食事する女性、優しい修道女。嫉妬や寂しさや後悔。
短いシーンだろうが脇役だろうが、そこに彼らが生
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EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

5.0

3時間37分という長さに、全てのショットに必然性がある。セピア色がこんなにも重厚とは思わなかった。沢井、梢、直樹、三人それぞれに再生までの道程がある。ゆっくり丁寧に積み上げられる一つ一つのシークエンス>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の水草が映るカットから、その色使いと静謐な空気感に惹かれた。宇宙ステーションに入ってからは延々と不気味な室内劇が続き、これがまた長いけど何故か観れる。長回しのカメラワーク、フレームアウトした先で何>>続きを読む

ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

3.6

直接的にこの題材を扱うにしては、ちょっとファンタジー過ぎると思ってしまった。
そんな自分は特段歴史に明るい訳でもなく『シンドラーのリスト』等と比較してそう感じているだけで、結局はある種の虚構を根拠にし
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.9

『ミツバチのささやき』よりずっと「動」な映画だけど、静謐な語りは変わらない。憧れた父の謎、苦悩、漂う停滞感。最後まで分からなかった彼との記憶を娘は回顧する。二人が食事するシーンが一番好きだった。

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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

5.0

何年振りに観ただろうか。アナ・トレントと全てのショットが煌めいている。ガラスの巣箱の様な家で、機能しない家族の中で(4人が同じ画角に収まる事はない)、アナは敬遠される存在に惹かれていく。怪物、毒キノコ>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.2

シンプルな話でテンポも良くてスイスイ観れるけど、本当にずっと狂気。終盤のブロードウェイのパートとかヤバかったな。時に軽快、時に優雅なダンスと歌が延々続く。楽しさより恐怖が勝つ。リナは普通に可哀想が勝つ>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.6

全篇ライブ映像。ジャンル問わず音楽が好きなら絶対に観た方が良い。
でも確かに映画的でもあった。映画館で、IMAXで観る価値。冒頭、デヴィッド・バーンの足元とラジカセを映しながら徐々にアップするカメラワ
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

3.1

トトとエレナの映写室のシーン辺りから以後、画の美しさに掴まれる。逆にそれまでは…。
あまり刺さらなかったけど、完全版観たらまた違うんかな。

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

映画を観ているなあ、と感じる。映写機でフィルムを観るシーン、鏡越しに夫婦が対話するシーンが特に素晴らしい。ゆったりと時間を掛け、撮影や編集や色調や演技でじわじわと心の機微を観客に訴えかけて来る。映画的>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

映像や美術、何より音楽が素晴らしい。設定の奇天烈さも良い。テーマとか描いてる事も凄く分かる。
でも単純にストーリーが面白くなかったな〜?話や世界の広がり方にワクワクしなかった。娯楽色も強い映画だと思い
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ベスト・キッド(1984年製作の映画)

3.6

単純明快で楽しく観てたけど、終盤は雑さが増して心が離れてしまった。回収出来そうなフラグが沢山あったなぁ…。
最後ミヤギの顔で終わるの笑った。

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.1

期待より面白かった。ミュージカル要素とギミックで最後まで楽しい。意外と展開多いし、テンポも良くてずっと観てられる。
ふと冷静になると設定も話も相当イカれてるなと思うけど、ティモシー・シャラメの好演で映
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.4

カラフルなのに閉塞感が漂う。
迎合できずに本能を優先し続けた結果の孤独。周囲が社会の一員としてあるべき所に収斂していく中で、染まり切れなかった不器用な主人公の行く末は…。
イーニドやシーモアの姿は決し
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ボーン・アイデンティティー(2002年製作の映画)

3.8

寒色系の画作りと派手さの無い語り口がクールだね。緊張感の演出が冴えてる。謎を残した締め方も良かった。

市子(2023年製作の映画)

4.2

ヒューマンドラマかと思ってたけど、市子の過去を様々な人物の目線を通して明らかにしていくミステリー的趣きが強くて引き込まれた。

市子を単なる被害者としては描かず、観客に共感させ過ぎず、最後には突き放す
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