Monsieurおむすびさんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

Monsieurおむすび

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アジムの母、ロナ(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

イスラーム映画祭7にて

イランで暮らすアフガニスタン難民のアジムは、弟ファルークとその家族、年老いた母ロナがドイツへ亡命できるように手配していたが、直前でファルークがロナを置いていくつもりだと知る。
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子供の情景(2007年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

イスラーム映画祭7にて

アフガニスタンのバーミヤン。
タリバンに岩壁の古代遺跡群を破壊された地域。
そこで暮らす学校に通いたい少女バクタイを追うドキュメンタリータッチのドラマ。

学校に行って勉強が
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ひかり探して(2020年製作の映画)

4.0

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捜査中の車輌事故により、出世コースから外れた女性刑事ヒョンスは、私生活も離婚調停中で疲弊していた。
家族の犯罪により傷ついた後、遺書を残し消えた少女セジン。
孤島で娘の介護をしながらひっそりと暮らし、
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初雪(2020年製作の映画)

4.5

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フィンランド映画祭2021

フィンランドの難民センターで庇護申請中のイラン人家族のドラマ。
私はこういう映画が大好きだ。

ヨーロッパの難民問題を扱った作品には、人種や信仰、経済的な面での軋轢が前面
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ミッドナイト・トラベラー(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

映画監督の夫婦と幼い2人の娘。
アフガニスタンで暮らすファジリ一家のタリバンから逃れ、ヨーロッパを目指す流浪の旅をスマホで撮影したセルフ・ドキュメンタリー。
2015〜2018の記録になるそうだ。
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僕たちは変わらない朝を迎える(2021年製作の映画)

3.6

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結婚を意識したが別れてしまった元カノ寧々から「私、結婚します」という報告をされる映画監督の薫。
別れを切り出された時も、結婚の報告をされた夜も、伝えたかった事はあったのに何故か言えない。
そんな煮え切
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殺人魔の魂(1933年製作の映画)

3.5

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絞殺魔の女死刑囚と、彼女を警察に売ったインチキ霊媒師、遺産を相続した富豪の令嬢とその婚約者によるホラー?

霊媒師は令嬢を騙して遺産を掠め取りたいし、死刑囚は死刑執行後に令嬢に降霊して霊媒師に復讐した
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魚座どうし(2020年製作の映画)

3.7

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子供らしく振る舞おうとも
大人を気遣い背伸びをしてみても
受け入れてもらえない鬱屈とした世界に生きるみどりと風太。
空虚な親の心を満たすことができない歯痒さや、連帯感や単一化の暗喩っぽい学校や新興宗教
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別に、友達とかじゃない(2020年製作の映画)

4.0

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群馬県桐生市。
心ときめくものなど何もない地方都市に住む卒業間近の女子高生3人による、「別に友達とかじゃない」微妙な関係の帰り道の会話劇。
40分の中編に、せいぜい数十分の帰り道に、彼女たちの人生の諦
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カリプソ・ローズ(2011年製作の映画)

3.3

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トリニダード・トバゴを中心にカリブ海で人気の「カリプソ」という音楽ジャンルの世界で、半世紀に渡り活躍するカリプソ・ローズについてのドキュメンタリー。

前半はカリプソ界においての彼女の存在について。
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ナンバー・スリー NO.3(1997年製作の映画)

3.1

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ハン・ソッキュ
ソン・ガンホ
チェ・ミンシクの超豪華な共演なのだが、まだ皆さん駆け出しの頃のようで。
ソン・ガンホは良かったか。

ヤクザの跡目争いを描いているが、日本の80年代のそれと似た雰囲気やカ
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AGANAI 地下鉄サリン事件と私(2020年製作の映画)

3.8

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地下鉄サリン事件の被害者である さかはら監督が、オウム真理教(現アレフ)の広報 荒木氏と対峙するロードムービー型のドキュメンタリー。

奇しくも同郷であり、同時期に京大生であった両氏。故郷の丹波地方や
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.0

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今日は今日。
昨日も今日。
明日も今日。
永遠に繰り返される今日という1日だったけど、2人なら全て特別な、いや少しはマシな時間?

タイムループにハマった2人(+ロイ)が、徐々にやけくそになっていき、
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ホワッツ・イン・ザ・シェッド(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

家の納屋に吸血ゾンビみたいなのが忍び込み、番犬、じいちゃん、町の保安官を惨殺してるのに、保護観察中の主人公スタンが面倒に巻き込まれてるのを知られたくなくて秘密にしちゃう。
なんて利己的なヤツだと思って
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戦火を越えて(1965年製作の映画)

4.1

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派兵された息子が負傷した報せを受け、田舎の農夫である父ゲオルギーは戦地の病院へ見舞いに行く。

じいちゃんのロードムービーなら、去年観た「ルカじいさんと苗木」がピカイチだったが、本作も負けず劣らずだな
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持参金のない娘(1984年製作の映画)

3.5

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19世紀後半、ヴォルガ湖畔の辺りの街。
没落貴族の美しい娘ラリーサの残酷なまでの悲恋劇。
娘を資産家に嫁がせ、ラクな暮らしと体裁を保ちたい母親。
愛されないと知りながら彼女に執着する卑屈で冴えない小役
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サーカス(1936年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

細かい内容はさておき、ロマンス、コメディ、ミュージカルという娯楽性と、幻想的な幸福を謳うソビエトのイデオロギーが融合した精巧なプロパガンダは感嘆。

今では作れないレーニン時代のある種の遺物。

ベッドとソファ(1927年製作の映画)

4.3

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モスクワで暮らす若い夫婦のもとに、戦地で知り合った夫の友人が居候としてころがりこみ、三角関係になってしまう。というお話。

1927年のサイレント映画が驚くほど現代的。
差し込まれる字幕はあくまで補足
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ジャズメン(1983年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ソヴィエトジャズ創成期1920年代に周囲の無理解や偏見にも負けず、ジャズバンドを結成する若者たちの音楽青春映画。

ジャズが浸透していないどころか、何なのかも知られていない国で、その音楽に打ち込む姿は
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青春讃歌(1985年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

若さ故の少しハメを外す悪癖はあるものの、幼馴染みとの恋が実を結んでいく多幸感溢れる青春譚。
どこにでもいそうなカップルや、大学の男性寮のバカ騒ぎっぷり、田舎に住む主人公の家族達の日常が丁寧に描かれ、戦
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翌日戦争が始まった(1987年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

1940年、スターリンの恐怖政治下に迎えた若者達の短く鮮烈な青春劇。

厳しい監視、管理体制に市民同士が相互不信となり、自由な思想は退廃的と呼ばれ粛清される重苦しい時代。
教条主義的な大人たちに対し、
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人生案内(1931年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ソビエト初のトーキー映画。

紛争によって浮浪児が増え、治安が悪くなった街。盗みや騙しが染みついてしまった子供たちに、児童保護団体は共同工場での労働を通して社会性と人間性を植え付けようと試みる物語。
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がんばれかめさん(1970年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

児童映画を多数撮っているらしい監督だからか、凡そ大人が企画したとは思えない自然過ぎる「子供らしい」発想の描写に、これまた演技とは思えない自然過ぎる子供たちの「やんちゃ」っぷり。

思い返せば私も亀に物
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陽気な連中(1934年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

オープニングのアニメからも欧米を意識している意図が見て取れ、チャップリンやマルクス兄弟などの、同年代ハリウッドのスラップスティック・コメディを彷彿とさせるミュージカル・コメディ。

常に動きっぱなしで
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スタフ王の野蛮な狩り(1979年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

民間伝承に着想を得た19世紀末の白ロシアを舞台としたゴシックミステリー。

霧がかかる湿地帯に建つ古い館。
神経質なまでに怯える女主人。
幻想的な異教めいた儀式。
禍々しい異形の騎士団。

冗長に感じ
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カメラマンの復讐(1912年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ロシア初のアニメ作家によるストップモーションアニメ。
昆虫採集が趣味の監督による、リアルな昆虫の造形が見事。
なぜか、内容は昆虫夫婦の不倫劇、しかも描写は人間味がありリアルな感情すら読み取れる。
10
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アコーディオン(1934年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ソビエト映画初期のミュージカル・コメディ。
歌や踊りという民族文化を讃え、開放的な農村の自然景観も相まって、終始和やかな雰囲気の多幸感。

潔白(2020年製作の映画)

3.8

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未体験ゾーンの映画たち2021

ある葬儀の場でふるまわれた農薬入りマッコリを飲んだ5人が死傷した事件の被疑者は故人の妻で認知症を患う高齢女性。
不可解な点が多い警察の捜査や検察の動きに疑問を抱き弁護
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けったいな町医者(2021年製作の映画)

4.0

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尼崎で開業医をしている長尾和宏氏に密着したドキュメンタリー。
と、言っても名医というものが持つ従来のイメージとは程遠く、手術シーンは疎か、白衣を着ているシーンすら無い。

患者を雁字搦めにしてしまう勤
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デンマークの息子(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

未体験ゾーンの映画たち2021

アラブ諸国での紛争による大量の移民流入やテロリズムの脅威、それに伴うヘイトクライムやナショナリズムの拡大と、今現在ヨーロッパ各地で火種となっている社会問題のその後を描
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そこからの光 未来の私から私へ(2020年製作の映画)

3.3

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多発性硬化症という難病を発症した女性が、同じ病気で苦しむ人々の手助けになるようNPOを立ち上げ支援していく姿を通して、認知度が低く、他覚症状が分かりづらい多発性硬化症の啓蒙を訴える実話ベース。

発症
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シンクロニック(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

未体験ゾーンの映画たち2021

不可解な死亡事故が多発するニューオーリンズで救急隊員として働くスティーブとデニスは、新種の合法ドラッグ「シンクロニック」が事件に関わっている事に気づく。時を同じくして
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インビジブル・スパイ(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

未体験ゾーンの映画たち2021

香港スパイアクションが東南アジア&スペインと小規模ながらワールドワイドに展開も、二転三転するシナリオも何故かワクワクせず。
ラストのパンプローナの牛追い祭りに乱入して
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ある用務員(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

未体験ゾーンの映画たち2021

とある高校で起こる殺人狂想曲。

裏社会のボスの娘として宿命を背負う女子高生 唯。彼女を護るように育てられた暗殺者 深見。
唯を奪還して跡目争いや遺産相続を有利にすす
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ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

未体験ゾーンの映画たち2021

19世紀、架空の国家の砂漠に覆われた辺境の開拓地。蛮族(遊牧民)が攻めてくるかもしれないという噂を聞きつけた中央政府の秘密警察が視察に訪れ、捕らえた蛮族に拷問を繰り返
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出櫃 中国 LGBTの叫び(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

中国で同性愛者である事を隠して、悩み生きる2人の若者が、親へカミングアウトをするまでを追う短編ドキュメンタリーは、約7000万人と言われる中国のLBGT、その95%がカミングアウトしていないというテロ>>続きを読む