Monsieurおむすびさんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

Monsieurおむすび

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マン・ハント(1941年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

開戦前夜のドイツとイギリス。
イギリス人ハンターのソーンダイクは獲物を完璧に仕留められる状況までを構築する「スポーツ狩猟」を楽しんでいた。
しかし、こともあろうに、その照準をヒトラーに合わせていたとこ
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潜水艦轟沈す(1941年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

カナダ海域で撃沈されたUボート。
生き残った乗組員6名が国境を超え、当時、参戦前で中立国だったアメリカのドイツ領事館を目指すロードムービー。

純アーリア人という優生思想やそれに伴う正義を振りかざすナ
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ヒットラーの狂人(1943年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1942年6月10日にエンスラポイド作戦の報復により消滅したチェコのリディツェ村を題材にした反戦映画。

リディツェ村の人々の日常の中で随所に見られる生への躍動感は、慎ましくも併合され占領されている時
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ダーク・ストレンジャー(1946年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アイルランドで暮らす若い娘は父親の影響もあって大の英国嫌い。IRA入りは断念したけど、ナチスのスパイになる事を決意し故郷を飛び出す。。。

ヒッチコックの「バルカン超特急」の脚本家コンビということで、
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姿なき軍隊(1945年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ドイツに占領されたデンマークを舞台に、抵抗運動としてテロ活動へと傾倒していく夫を持つ妻の視点からの不安や恐怖。
更に共にテロ活動へ加わる夫の親友との間に芽生える淡い想いを絡めたラブロマンスの要素もある
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平和に生きる(1947年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦末期のイタリアの山村。1人のドイツ人監視兵が駐在するだけの戦略的な価値のない村に逃げ込んだアメリカ兵を村人が匿う。。。

長閑な田舎の山村を舞台に戦時下における人間の描写を喜劇的にみせる
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自由への闘い(1943年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ナチスに占領されたヨーロッパのどこかの田舎町。臆病者の教師ローリーは年老いた母親に頭が上がらず、好きな同僚教師にアプローチも出来ずで、生徒達からも尊敬されていない。人望のある校長から勇気や尊厳の大切さ>>続きを読む

ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

4.0

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退役軍人のアリシアは故郷で警察官として再出発を図ろうとしていたが、街の治安は悪くなり、黒人には貧困と犯罪が蔓延し、警官は汚職と黒人への過剰な弾圧を繰り返していた。。。

冒頭から黒人と警官の関係性を端
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最後の億萬長者(1934年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

1934年製作のルネ・クレール原作、脚本、監督作品。

カジノと観光業で収益を得る架空の小国家カジナリオ。
国は豊かすぎるので国民に税金は返済しましょう。
それでもお金が余っているので、街の建造物を全
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第七の十字架(1944年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

1936年、ナチスの一党独裁体制となったドイツ国内で政治犯として収容されていた7人が脱走する。
執拗な追跡に次々と仲間が捕まる中、スペンサー・トレイシー演じるリーダー格のハイスラーは反ナチの市民に助け
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私が結婚した男(1940年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

1938年、第二次世界大戦開戦前のニューヨーク。
ドイツ出身のエリックとアメリカ人のキャロルの夫婦は義父の住むドイツへと旅立つ。
ベルリンに辿り着きエリックが感じる祖国への違和感。ナショナリズムへの盲
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二人ノ世界(2017年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

事故により首から下が不随になった俊作と全盲でありながら、彼をヘルパーとして介護する華恵の交流を通して二人だけの愛の世界を描く。

共に障害者として、どうにもならない現実を知り、苛立ちやもどかしさを感じ
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ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズ(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

離婚式までして大々的に別れたヒョヌとソニョンの元夫婦。半年ほどそれぞれのシングルライフを満喫していたのに、ふとしたきっかけで顔を合わすハメに。
お互いの相性の悪さを再確認しつつも、懐かしく思う気持ちも
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リバー(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

実話を元にしたある男女の悲恋劇。
英語と日本語が交錯し、台詞の掛け合いも独特のテンポで行われる。
古めかしい質感の映像がどこかもの懐かしくもある。
限られた予算と時間で製作されたことは容易に想像がつく
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旅芸人と怪物たち(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

旅芸人の一座のお仕事ではなく、その私生活を描いた群像劇。
社会の規律からははみ出した彼らは移動も、食事も、公演中の裏側も、そしてその人間模様もがまさに喧騒と混沌。

芸人としてのパフォーマンスよりも、
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美しいとき/サマータイム(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1960年代の公民権運動、プラハの春、五月革命を経た1971年。田舎で家業の農場を手伝っていたデルフィーヌはパリでの生活を始め、女性解放運動の活動家キャロルと出逢い惹かれ合っていく。。。

自由を肌で
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アヴァ(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

13歳のアヴァは夏休みに次第に目が見えなくなっていくと宣告される。たじろぐ母親を他所に彼女は自分自身でその現実と向き合い、受け入れていこうと心に決める。
恐らくアヴァの瞳が捉える最後の夏。そこに映る世
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月影の下で(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

9年ごとに現れる連続殺人犯と、追う刑事の因縁を描いたサスペンス・スリラー。
まさかのSF設定だったが、謎が謎を呼ぶ前半の引き込みは見事で、全体の構造が見えてきた後半もその勢いは衰えない。
正義と真実を
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デンジャラス・ライ(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

突然、資産家の遺産を相続してしまったことで周囲に不穏さが充満していくサスペンス。
気軽にみれる点は良いが、作り込みが浅く一つ一つのシーンが提示していく「疑念」の連帯感が乏しいので、鑑賞後に抱くのはその
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過去を逃れて(1947年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ファムファタール最恐クラスの女 キャシーが咲き狂う、アメリカ製フィルムノワールの名作。

モノローグから始まり、主導権争いの中盤、なだれ込むようなラスト。
ダークなトーンと小気味よいテンポが 97分続
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クラッシュ・テスト(2017年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

頑固過ぎる性格が災いして普通の生活がスムーズに行えないアグラエは、どんな仕事も上手くいかない。けれど、自動車の耐久性実験工場だけは天職と思えた。そんな職場がインドへ移転することになり。。。


転職を
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ディアーヌならできる(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

同性愛者の親友とその恋人の為に代理出産を引き受け妊娠中のディアーヌは、そんなタイミングで恋に落ちてしまう。。。

当初、自分は子供が欲しいとも思わず、善意で引き受けたディアーヌが徐々に母性らしい感情を
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悲哀クラブ(2014年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

疎遠だった父の訃報を受け、久しぶりに顔を合わせたレオンとブリュノの兄弟。腹違いの妹を名乗るクロエはちょっと怪しいが3人は否応なしに父親と向き合うハメになる。。。

憎んですらいた「父親」の痕跡を辿る旅
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パリ、恋の診療室(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

パリのチャイナタウンで開業医をしているボリスとディミトリの兄弟。2人は糖尿病を患う少女の母親でシングルマザーのジュディトに同時に恋をしてしまう。。。

ラブコメのようなプロットだが、淡々と3人の日常を
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ギャロップ(2012年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

パートナーとの結婚を控え娘もいるアダは小説家のポールの事も好きになってしまう。かたや、ポールは父親の死や残された借金、認知症を患い始めた母親と悩みの種が絶えなかった。。。

人生の転機を迎える大人たち
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馬の嘶き(2011年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

世にも珍しい「馬術」を取り上げた映画。
しかし、いわゆるスポ根とも違う奇妙な愛憎の師弟関係が軸。
主人公の女性騎手が人間嫌いで馬にしか興味がないのはわかるが、その経緯の描写がなく、その行動から異常者に
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森に生きる少年 ~カラスの日~(2012年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間を嫌い森の中で暮らす愛を失った父親とそんな父親に育てられ森の外の世界を知らない少年。ある嵐の夜に大怪我をしてしまった父親を救おうと村へ赴いた少年は、少女と出会い人生の転機が訪れる。。。

純朴なが
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リトル・ライオン 明日へのゴール(2012年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

セネガルでプロサッカー選手になる事を夢みる少年ミトリは、あるスカウトの目にとまりフランスで入団テストを受ける事に。借金をして辿り着いたフランスで騙されていたと気づき、路頭に迷うミトリだったが心ある人の>>続きを読む

セレニティー:平穏の海(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

サスペンスのような冒頭から、あれよあれよと変な展開を見せていき、気づけばSFの領域へ。

中盤で反転したのは、いわゆるどんでん返し系ではなく、親子の絆をテーマにしたからと推測。
この親子にとっては海と
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フラクチャード(2019年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

怪我をした娘を連れ病院を訪れた男。その後、精密検査を受ける娘と妻を待っているが、何時間経っても戻ってこない。問い合わせても、記録にない。と病院側は存在を否定する。娘と妻は忽然と姿を消してしまった。。。>>続きを読む

アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

サフディ兄弟らしい身から出た錆を前面に押し出す悲喜劇。

宝石商とその妻、金貸しと用心棒、アスリート、愛人と、癖しかないキャラクターたちが自分の思惑の為に、あの手この手で大金や夢を思い描き、相手を出し
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ギャスパール、結婚式へ行く(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

再婚する父親の結婚式に1人で行きたくないギャスパールは偶然、列車で出会ったローラに恋人のふりをして同行してほしいと頼み込み、動物園を営む実家へと連れていく。。。

色々と何処かで見たことがある設定なの
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ぼくが数学を嫌いな理由(2012年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

なぜ、人々は数学を嫌うのか?から発着し、数学者をはじめとした識者の日常を通した数学の有意性を経て、果ては金融や世界情勢にまで触れる異色の学問ドキュメンタリー。
早々に数学に見放された私には、ちんぷんか
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ソヴァージュ(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

生きる為でも、ここから抜け出す為でもなく、自分を満たすなにかを求め街に立つ男娼レオの明日すら欲しない刹那的な生き方。
脆くて美しく、野性的というか野蛮さも孕むその素行がとてつもない魅力的なのは、そこに
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熱風(2015年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ある長閑な田舎の農村に、なにかと問題を起こす青年ジョセフが帰ってきた。それから小さな事件が重なり、村の人たちはジョセフを犯人と疑う。。。

ジョセフの幼稚な振る舞いは発達障害によるものであり、悪意とは
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正しい人間(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

仕事を失い、家族とも別居中のエディは街で些細なイザコザから集団で襲撃され大怪我を負う。その後、数日前に会っただけのアハメッドを確信もなく犯人と証言してしまいアハメッドは警察に拘束される。
家族の理解や
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